ひらめき☆マンガ学校 公開講義 〜消えたマンガ原稿67ページ〜 に出ます。

西島大介さんの単行本『魔法なんて信じない。でも君は信じる。』刊行記念イベントです。


2009 11 22 [Sun]  @東京カルチャーカルチャー(東京・お台場)
Open 17:30 Start 18:00 End 21:30 (予定)
前売り券2000円 当日券2500円(飲食代別途必要・ビール¥590など)


●第一部:ひらめき☆マンガ学校 公開講義

出演者=西島大介大谷能生、さやわか

・「どうやったらマンガになるのか?」(=マンガとは何か?)

・構図とコマ割り。

・マンガの習作として他作品の構図のカヴァーを行うということ。

・マンガの快楽。

・絵に適した物語を呼び込む方法と、物語に適した絵を探す方法。

・パクリ(コピーとオリジナルについて)。


●第二部:パネルディスカッション

出演者=泉信行伊藤剛竹熊健太郎西島大介大谷能生、さやわか

※書籍での大谷氏の註釈論考で、第一部で扱わなかった内容(他メディアとマンガなど)および、西島氏のマンガの内容(マンガ業界、編集者とマンガ家の関係の変化など)について扱う感じ

・「今マンガ家になるということ」(=今マンガ家になるアクロバティックな方法)

・マンガはもっとも原初的なパーソナルメディアだったが、今はメディアが多様化してマンガの特権性がそこからは失われている。さらにパーソナルな消費の進行とフォーマットの多様化によって「みんなが同じものを楽しむ」ことが減っている。→雑誌が売れないなどの「マンガの危機」へ? →読者同士の対立を生む?

・作家と編集者の関係の変化

金色のガッシュ!!』『ブラックジャックによろしく』のような、編集者とマンガ家の軋轢は避けられないのか? 「原稿紛失の補償金は、原稿料の10倍」の話。

・オリジナル(原稿)とコピー(掲載誌)

・メディアミックスと原作の関係。作中の「キャラ」のイメージしか使われないということ。


【出演者(仮)】
西島大介、さやわか、大谷能生伊藤剛泉信行 竹熊健太郎


西島大介(まんがっち)http://www.simasima.jp/
大谷能生(よしおっち)http://www.ootany.com/
さやわか(さわやかっち)http://someru.blog74.fc2.com/
竹熊健太郎 http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/
伊藤剛 http://d.hatena.ne.jp/goito-mineral/
泉信行 http://d.hatena.ne.jp/izumino/




なんだか盛りだくさんのトークイベントであります。
すでに竹熊さん(たけくまっち)のところでも告知と解説が書かれていますね。
http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2009/11/post-abf4.html
上↑の告知文は、東京カルチャーカルチャーのページからコピペってきたんですが、企画書をそのまんま載っけてる感じです。
ふつう、こういうことはしないと思うんですが……(汗。


魔法なんて信じない。でも君は信じる。 (本人本)

魔法なんて信じない。でも君は信じる。 (本人本)



太田出版「本人」に連載された、マンガ原稿紛失後の顛末を描いた西島大介によるマンガと、大谷能生による論考を収録した単行本刊行にあわせた企画です。
「原稿紛失」というのは、そもそも「原画」なるものが存在するマンガ業界に特有の事情と思われますが、一方でさまざまな制度的な整備を先送りにしたまま成長し、産業としてピークアウトした現在になってようやく諸々の見直しが行われようとしているという、マンガ業界のある一面を象徴的に指し示す「事件」であると思います。
加えてこのメンツ、というかやけに人数の多いゲストに、はたしてどのような展開になるか、当事者のぼくもいまひとつ読めないというイベントであります。リンク先にチケット前売りのお知らせが出ています。イープラスで明日(4日)から販売開始ですね。よろしくお願いいたします。

いまから久慈に行ってきます。

鉄道むすめサミット」です。
http://www.jiji.com/jc/c?g=jfn&k=2009101200113
今晩は前夜祭列車です。来賓挨拶をさせていただくことになってるんですが、いまから緊張しています。
どういう列車なのか楽しみです。OZA式列車なのかしらとか。


それはそれとして、今朝のおはようミュージックはこれ(たまたま)。


明治大学東京国際マンガ図書館/桑沢デザイン研究所「キャラクターメディア研究ゼミ」

まずは、2014年開館予定の「明治大学東京国際マンガ図書館」のイメージ映像をご覧ください。
これはすごいです。
http://www.meiji.ac.jp/manga/movie/


昨晩は、この前身となる「米沢嘉博記念図書館」のプレオープンレセプションだったんですが、どうにも都合があわず失礼してしまいました。
オープンは今週末、31日ですね。もう明後日です。
http://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/


この図書館構想は、現・明治大学国際日本学部准教授である森川嘉一郎さんが中心になって進められてきたものです。
ここ一年ほどの森川さんの働きは、まさに獅子奮迅という感じでした。
森川さんとは、桑沢デザイン研究所で「キャラクターメディア研究ゼミ」を四年前から一緒にやっている間柄ですが、今年度は図書館が佳境に入るなか、それでも変らず学生の指導を緻密に続ける姿には、本当に感服しています。
(と同時に、体を壊しやしないかと心配もしています)


図書館はコミックマーケット準備会の協力のもと設立されますが、同じ森川さんの企画による「キャラクターメディア研究ゼミ」では、毎年冬のコミケに同人誌を出展しています(昨日もその指導日でした)。
ぼくは主にマンガの指導をしていますが、今年も多様な記事、作品を掲載したものになります。詳細はもう少し固まってきてからお知らせしようと思っています。


http://www3.to/kuwasawa/
いまこのページに掲載されているのは、昨年の同人誌の情報ですね。
このサイトは、学生さんによって制作されています。そろそろ今年の情報に更新されるはずなんですが……。

セイント・エティエンヌ

今朝のおはようミュージックはこれ。
ニール・ヤングのカヴァーですね。
元曲のライヴもYouTubeにあって、よさは分かるんだけど、ぼくにはニール・ヤングのような「うた」で聴かせる種類のアーティストは重いんだなと思いました。


「歌はあるが歌心はない」
きらきらしい空虚さこそが、私の心をつかむのです。
だからセイント・エティエンヌもヴォーカルをしっかり聴かせるようになった "So Tough" あたりから離れてしまったのです。





1991年、これはジャンルはハウスでいいんでしょうかね?
この曲は後のヴォーカルである、サラ・クラックネルとは別のひとが歌っています。
この時期、エティエンヌとモーマスフリッパーズばかり聴いていたような気がします。
NTTデータに勤めていたころですね。


そのころもいまも、小さく美しく繊細でかぼそく切ないものが好きなのは変っていません。
セイント・エティエンヌっていまも活動してるんですね。
YouTubeに今年のフェスのライヴ動画があって驚きました。

破壊的な音楽でうさばらし/映画『バーダー・マインホフ 理想の果てに』

今朝のおはようミュージックはこれ。
SPKの "Slogun" ですよ(※ノイズ注意。一般的な意味での音楽ではありません)
ちょっとやさぐれる出来事があったので、朝からガーっとノイズです。
なんというか、ものすごく辛いものを食べて気合を入れるような感じですか。


"Kill kill kill for inner peace!" 殺せ殺せ殺せ! 内面の平安のために!
"Bomb bomb bomb for mental health!" 爆破爆破爆破! 精神の健康のために!
"Therapy through violence!" 治療は暴力によって!







歌詞が物騒なのは、SPKというユニット名が、西ドイツのテロリスト集団「社会主義患者集団」にインスパイアされたものだからです。
バンドのほうのSPKは、オーストラリアで結成され、このテロリスト集団 "Sozialistische Patientenkollektiv" のほか、"SePpuKu(切腹)"や、"Surgical Penis Klinic" といった名義を用いていました。アクロニムイニシャリズムを使った言葉遊びですね。
SPKの中心人物であるグラエム・レヴェルは、わりと典型的な80年代ポストモダニストですから、こうした所作にも、”あえて表層と戯れる”ような、シニカルな姿勢がうかがえます。
なお、テロ集団のほうのSPKは、1968年ハイデルベルグ大学病院精神科で結成された団体です。英語版のwikipediaにリンクを貼っておきます。
http://en.wikipedia.org/wiki/Socialist_Patients'_Collective


90年代に「パワーレンジャー the movie」の音楽を手がけた男は昔こんなのやってたんですよと、全米の元よいこの皆さんにお伝えしたいです。




ドイツのテロリストといえば、先日、映画『バーダー・マインホフ 理想の果てに』を最終日に観にいきました。
http://www.baader-meinhof.jp/
ひじょうに冷徹な視点でバーダー・マインホフ〜西ドイツ赤軍の軌跡と崩壊を描いた佳作だと思います。
もっとも、当時のドイツの状況や雰囲気、司法制度などを知らないので、わからないことも多いのですが、たいへん手際よく、1968年からの約10年間に何があったのかを伝えるものではありました。
ドイツのテロリストについては、ジリアン・ベッカー『ヒットラーの子供たち』などの本をいちおう読んではいても、いまひとつ実態を想像できないというか、ピンとこないものがあったのですが、この映画で急速に像を結んだという感があります。


ヒットラーの子供たち―テロの報酬 (1980年)

ヒットラーの子供たち―テロの報酬 (1980年)



なにより、バーダー・マインホフが、思いのほかならず者の犯罪者集団だったのにもかかわらず、思想的な革命集団としてそれなりに支持されていたことに驚きを感じました。やはり時代の雰囲気のなせるわざだったのでしょうか。
またこの映画の、ひどく突き放した視点(テロリスト側にも、警察側にも寄り切らない)にも感服しました。
感傷もできるだけ排除されているように思えます
それでも、ウルリケ・マインホフが獄中で自殺するくだりはかわいそうでした。


日本でも、日本赤軍を題材にした映画が何作か作られていますが、赤軍側、警察側のどちらかの視点に寄り添っているものになっているようです。
日本人とドイツ人の感性の差かもしれませんし、政治的な環境の差に求められることかもしれません。
もっとも、そんな突っ込んだ議論をする以前に、『突入せよ!』しか観ていないのでたいしたことは言えないのですが。