「まんがタイムきらら」編集部インタビュー、掲載されました。

先日、インタビュアーを勤めさせていただいた「まんがタイムきらら」編集部インタビューですが、本日掲載されました。
http://www.p-tina.net/interview/13/01.html


個人的にも気になっていた点についてお訊きすることができて、よかったです。
昨年のマンガ学会でも「見えないマンガ、語られないマンガ」と題されたシンポジウムが行われましたが、萌え系のマンガ以上に、「ファミリー四コマ」というのは語られにくいジャンルだったと思います。ウェブでは、地道に言説を紡いで来た方がおられますが、こと「評論家」諸氏からはほぼ無視されてきたといっていいでしょう。
まあ、ぼくにしてもあまり偉そうなことは言えないのですが、会社員時代(91年ごろ)、ファミリー四コマ誌を縦断的に端から購入して帰る後輩社員(当時20代前半、男性)をみて、あれはどういう「読み」をしているのだろうと関心を持ったところからいちおうは出発しています。


一般に「ストーリー性」優位の考え方に立つと、次に来がちなのが「単に慰撫するようなマンガはよくない」「願望充足的なマンガはよくない」という考え方です。おそらくその背後にあるのは、ある種の素朴な文学観でしょう。かつて桑原武夫が文学の機能は「人生へのインタレスト」を与えることにあるといった(『文学入門』、1950)ような価値観です。
こうした価値観からは、多くの「ファミリー四コマ」は、ただ単にそのマンガを読んでいる「いま、ここ」の時間を楽しく過ごさせるだけのものに見えるでしょうし、また「いま、ここ」を楽しく過ごすことの価値は見えてこないと思います。
しかし、「慰撫すること/されること」や、マンガの「読み」における快楽そのものの価値は、やはり問い直されていいはずです。


今回のインタビューは、マンガ評論家というよりはアミューズメントメディア総合学院マンガ学科の講師として行ったという性格の強いものではありますが、上記のような問題意識には貫かれています。お読みいただければ幸いです。よろしくお願いします。