地味シリーズ3

goito-mineral2004-09-08

呉須土 Lithiopholite or Aurorite  愛知県瀬戸市陣屋町
左右長約10cm チャート礫に付着し、砂や小礫を固結する帯青黒色の部分




これも十年くらい前の採集品。「採集」といっても、地面にロープを張っただけの月極駐車場の裏手に車をとめ、崖を削った作った広場で、そこらに落ちている礫のなかからこれを探してぽいぽいと拾ってくるというものだった。後にその場所は造成地となり、分譲地の現地案内所ができ、たぶん現在は家が建っていることだろう。名古屋市の中心部から私鉄で約25分、徒歩15分という物件だ。東京でいえば田無とか、和光市あたりの感覚か? ただし駅までの道は坂がきつく、コンビニもファミレスも坂を下りないとない。車がなければかなり生活に不便な場所なんじゃないかと思う。

「呉須」は、かつて瀬戸物の絵付けに、藍色の顔料として用いられたことで知られる。むしろそちらで有名だろう。コバルトなどの重金属を含む水酸化マンガン鉱物である。ずっとリシオフォライトとされてきたが、最近の研究ではオーロラ鉱やホランド鉱など複数の種類の鉱物があることが知られている。このタイプのものは、リシオフォライトかオーロラ鉱だとのこと。
堀秀道『楽しい鉱物図鑑 2』68ページに掲載されているが、実はそこに使われている標本は、元をただせばウチから出たものだ。この画像の標本は、それと同じときに拾ってきている。