地味シリーズ2

goito-mineral2004-09-07

自然銅、マースター石、ガノフィル石様鉱物  東京都西多摩郡奥多摩町白丸鉱山
画面中央、明るい褐色に見えるのが自然銅、周囲の脈状の部分、黄〜橙色がマースター石
褐色で透明感のある部分がガノフィル石様鉱物。自然銅の径約1mm




地味シリーズ。接写はこのへんが限界かなあ。
白丸鉱山の自然銅。層状マンガン鉱床には自然銅が見られる場合がよくあるが、この白丸鉱山も自然銅が多い。これはマースター石、ガノフィル石様鉱物に伴うもの。通常は「赤壁」、つまり曹長石を主とする岩石中に小さな箔状で産出する。
前々回、1997年の「出現」*1のときに採集したもの。ずいぶん錆びて光沢が鈍くなってしまった。周囲の「ガノフィル石様鉱物」は、厳密には定量分析をしないと鉱物種を決めることができない。この産地の場合、ガノフィル石、エグレトン石、多摩石の三種類が知られている。この三者は、わずかな化学成分の差で定義され、多摩石は、ここから新鉱物として記載されている。この標本のような単独の脈からも多摩石は見つかっているようだ。

*1:白丸鉱山は、普段は多摩川にかかるダムの水底にあり、数年に一度行われる工事の際、数十日間だけ「出現」する。