地味で小さいけど気に入っている標本シリーズ
自然銅、方沸石 千葉県安房郡富山町平久里 画面の左右約1cm
地味で小さいけど気に入っている標本シリーズ。
まだ会社員をしている時分の採集品。もう13年前になるか。玄武岩の割れ目に箔状になって産出する金属銅。透明な方沸石の小結晶がコーティングしているため、まったく錆びずに新鮮な銅の色を保っている。画面のほぼ全体を方沸石の集合が覆う。個々の結晶はきれいな三八面体(二十四面体)で、これはたとえば柘榴石と同じ形態だ。透明な方沸石とあかがね色の自然銅のコントラストが気に入っている。どうもぼくには、こういう「小品ながら佳品」を好む傾向がある。
同様の産状の自然銅は、後に神奈川県秦野市の採石場から良品の産出をみた。このときは出遅れてしまい、結局、採集に行けなかった。標本も持っていない。わりとすぐに採集に制限がかけられたからだ。その頃から、マニアの間で流行っている産地を敬遠するようになった。よい産地は自分たちで開拓するもの、が最近の基本となっている。
昨晩はほしおさなえさんの詩と映像と音楽の夕べ、「timetrain3」に行く。ほしおさん本人と女性声優四名の方々によるポエトリー・リーディングを中心にしたステージだ。思っていたより演劇的な仕掛けがしてあり、楽しめた。個人的にはもっと淡々と、ぼそぼそと読んだほうがいいなと思ったのだが、それは自宅で音盤で聴くことを無意識に想定しているからだろう。そのへん、ぼくはどこか「ひきこもり系」なのだ。西島大介さんによる映像、エレクトロニカ・ユニット mol による音楽もよかった。こと音楽は相当にぼく好みだったので、つい演奏の手元ばかり見てしまった。あーずいぶん手弾きなんだなー、とか。
休憩時間に「ユリイカ」担当編集氏とちょこっと話す。今度出る西尾維新特集号では、一部の原稿が遅れに遅れて、ひどいめにあったんだそうだ。そこでぼくも先月、山本夜羽音 id:johanne センセイの単行本編集をやって、ものすごくひどいめにあったんですよ、という*1。
また担当氏は最近、『げんしけん』を読んだんだそうで、その話をする。いま、ああした形での大学サークルは機能しているのか? など。オレはすっかり斑目の幸せを願うヤツとかになってますよ、といったら呵々大笑された。
イベント終了後、早々に辞す。雷雨がまだ続いていた。
ほしおさんのイベントは本日もある。14時と18時の二回。場所は池袋の東京芸術劇場。
http://www.timetrain.org/
id:gaaa君は帰国したようだ。どうだったんだろう、イタリア。