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吉祥寺で『おおきく振りかぶって』を買ってきました。
いま、「読み中」です。
リファをいただいたところは、できるだけ読むようにしていますが、即応ゆえの「読み落とし」があるのもよろしくないし（ね、id:urouro360さん。なんだかんだいって美味しいところを持っていきましたねw）、広がった波紋をこちらから広げるつもりがないというのも、変わっていません。
ただ、ぼくの基本姿勢をあらためて記しておくと、ぼくは「腐女子」（豆腐を「豆富」と書くように「富女子」という表記も考えましたが、そんなのは定着しないでしょうから、不本意ですが慣習に従います）の方々に敵対するものではありません。むしろ、それが何であれ、その表現活動が誰かにとって「かけがえのない、大切なもの」であるのであれば、できるだけそれを肯定していこうというのが、常に基盤にあります。
さらにその上に、「主張をするんなら、ちゃんとやんなよ」という気持ちが重なっているのですね。
ただ、ぼくはぼくで、微妙に挑発的な言辞を取ることがあるし、ひとの泣き所を見つけるとつついてみたくなるという悪いクセがあります。あと、懸命に自分を鎧っているひとだとか、攻撃は最大の防御、なんていう姿勢の人をみると、その鎧の隙間を見つけて、相手の心にどんどん踏みこむようなことを、とかくしがちです。
そこは、確かに「申し訳ないなあ」と思うところもあります（「良かれ」と思ってしたことならば、なんでも許されると思っているほど、素朴ではありません。目的は手段を正当化しないというのは、ご指摘の通りです。id:hizzzさん）。
ご不快に思われた点について、ああ、悪かったなあ、こちらの意図を伝えるのに、もうちょっと上手いやり方もあったなあ、とも思います。
とくにもののいいざまについては、そう思います。面目ない。
http://d.hatena.ne.jp/emifuwa/20040819
本筋の議論とは違ったところで、ご不快に思われたわけで、それは本当に不徳のいたすところです。
とても不用意に、emifuwaさんの内面に踏みこんでしまっていたと思います。重ねて、申し訳ありません。
もちろん、自重もしているのだけれど、しかし、そうしたことが自分の「業」だとしたら、それを自覚したうえで、なんとかしてよい方向に持っていけるよう努力するくらいのことしかできないでしょう。
その程度には、ぼくは「前向き」でいます。
ただ、一点だけ。emifuwaさんがぼくの事をお嫌いになるのは、致し方ないことですが、しかし、その理由を私が「断言」をするから、というのには、ひとこと言わせていただきます。
私が「断言」をするときには、相応の考えとそこにいたる背景があって、あえてそうしています。
世の中は、こうした「断言形」で言明される、個人の「判断」に満ちています。
ここの一文も、私は「断言形」で書いていますね。
それは、「私はこう考える／解釈する」という意味内容を開示するにあたり、ストレートにそれを言いあらわずこと、そしてそれへの反論をスムースにするためにやっていることです。
「〜だと思う」「個人的には〜と考える」という意見表明も、これは普通にやっていることなのですが、それだけではいけないと考えているのです。
オタク分野に限らず、ぼくは、マンガ評論やマンガへの「語り」においては、大きく、ざっくりとこうなっているという、明確な言表に欠けていると考えています。そして、それが、多くのマンガ評論やオタク周りの言説をつまらなくしていると見ています。
もちろん、断言するに足る用意がないまま、ただ断言をするのがおかしいのはいうまでもないですが、しかし、それを避けてばかりいるのも、やはりよくないのではないでしょうか。
その、意味内容ではなく、私の言表のいいざまがひっかかってしまったのであれば、それはとても残念なことです。だから、私は今後とも、ここは「断言」が必要だと考えた場合には、それに躊躇はしません。また、emifuwaさんも、どうか、躊躇しないで欲しいと思っています。
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ハラさんという方http://www.cute.to/~spanks/が、なんだか「悪質なレトリックレトリックとして悪手」（id:izuminoさんの表現）なやり方で、揶揄されています。
そのなかで、ぼくの何を指してか知りませんが、過去を「数々の伝説」といい、文面を見ただけでは、とにかく「伊藤という奴が気にくわない」という気分を伝える以上ではない文章を発表されています。
2004.08.18[Wed]
■ 傷つくことの出来ない貴方が 繰り返す★ はてなダイアリー - Living with IMIGRAN & MINERALS（8月18日分）
★ 腐女子ネタというよりは（はてなダイアリー - 活字うろうろ／8月17日）
★ 腐女子ネタ つづき（はてなダイアリー - 活字うろうろ／8月18日）
★ 「おおきく振りかぶって」のPOPのお話から遠く離れてリターンズ（地雷犬日記 : BLOG）
★ 背中で語れ（ストラボ NEWxNOW）
伊藤氏の8月18日分の記述に、軽い眩暈とデジャヴ。前にも似たようなのを見た気がするぞ、似たような事態で（笑）。
伊藤氏の数々の伝説と、18日分の記述が自分のなかで一致してしまった。困った（苦笑）。しかし、見事なまでの「自殺しない回路」だなあ……。腐女子ネタに関しては、つまるところ「フィールドワークしろよ」としか云いようがないのですが。誰かに説明を求めても、腐女子のAさんの説明を、Bさんが「ちょっと違う」と云うのが常なので。
最後の一文はまったくその通り。またそれは、ぼくだけではなく、また「腐女子」だけではなく、自分の感覚と違う「読み」を駆動している相手に対しては常にそうなのですが。きっと、ハラさんも自戒を込めてお書きになったのだと思います。
でね、ぼくは”見事なまでの「自殺しない回路」”ってのは、これは褒め言葉として受けとることにしましょうw。
なぜなら、「反省を欠いている」という意味の指摘ではないからです。
もしそうであれば、「自殺」なんていう言葉は用いずとも、普通に（たとえレトリックであっても）「反省を欠いている」と一言、書いておけばいいだけなのだから。だから、ハラさんはストレートに「おまえは反省がない！」といえばよかった。しかし、その機会も失われています。他ならぬハラさん自身の手によって。
また、先に記したように、ぼくはギリギリのところで、いつもポジティヴでいようと思っています。
ハラさんのいう「自殺しない回路」ってのは、このような、とても前向きな意味に取れるでしょう。だから、褒め言葉だと思っています。
id:izuminoさんのところのコメント欄
http://d.hatena.ne.jp/izumino/20040819
をお借りして、ハラさんにもレスを書いておきました。
ハラさんに対しては、まぁ、そんなに気に病むことはないですよ、という程の感じです。
ぼくもとくに、この程度の揶揄であれば、そんなに痛痒を感じるものではないのですが、こういう揶揄ってのは、それやってる間＜だけ＞はとても楽しいし、そういうスタイルが好きなひとは一定数いるから、アクセスはかせげるだろうけど、後になんにも残んないし、むしろ自分を卑しめるだけだと思います。
自分の意見もいわず、ただ揶揄的な気分だけを伝える文章を書くってのは、「物陰から石を投げるだけ投げて、後は身を隠してしまう」という卑怯な態度でしかありません。
おそらく、izuminoさんもそこを不愉快に思われたのでしょう。
これは、ホントに、それこそ自戒もこめてそう思います。
で、本題に戻りますが、最初のPOPが、元テクストの読み替えを「自分のもの」として行うことが楽しさであって、それを書店の側が先回りして行うことが「許せない」という含意は、当然のことながら最初から読みとっていました。
しかし、そうした「収奪」イメージの抗議ならば、「矜持」という言葉ではなく、もっと別のロジックで語られる筈です。もちろん、id:emifuwaさんの日記そのほかには、こうした「収奪」イメージの批判も散見されていますが、ぼくはむしろ、それと「腐女子としての矜持」ないしは、このPOPのような行為が元の作品を汚す、殺すという批判との間に、大きな齟齬を感じているのです。
繰り返しになるけど、ひとを批判したり糾弾したりするんなら、少なくとも腰くらいは据えていきましょう。
「腐女子」に対する偏見を取り除いたり、理解を求めようという姿勢には、変わらず賛同しています。応援もしています。
とりあえず、このへんで。
