引っ越しのダンドリ失敗はあとあとまで祟るの巻

そもそも、引っ越して三年間、どうにもこうにも片づけられないほど複雑にモノが組み合ってしまった一因には、引っ越しのときのダンドリ失敗があるのです。
まず書籍と鉱物類を入れた箱が大量にあったので、引っ越し業者さんのトラックを頼む前に、自分たちでその一部を運び込んだのですね。本棚は真っ先に動かして、組んでおいて。で、まーおよそぼく自身、ダンドリは下手糞だったんですが、そこに追い打ちをかけるように、超ボンクラの手伝いを呼んでしまったというファクターが加わったのです。それは某誌編集者のモナー君(仮名・担当ではありません。為念)なのですが、こいつがもう、信じられないくらいのボンクラでですね、もーそれはそれは大変な目にあったのですよ。
その日の朝、まず書籍類を運びこみ、モナー君に「分類はいいから、この段ボールのなかの本を棚に入れて、箱をツブしておいて」と頼み、車を出してくれたid:hesoと、次の荷を取りに旧居に戻ったのです。荷物が多くて一度では運び切らないから。
そして二時間後、いま住んでいる新居に着いてみたら、縁側に腰かけて煙草喫いながら町田ひらくとか読んでやんの。本棚をみたら、上のほうに文庫本がほんのちょびっと並んでるだけ。
「君ね、本の入った段ボールは次々に空けていかないと、部屋のなかで荷物が動かせなくなるでしょ」といって叱ったのだけど、悪びれる様子もなし。まあいいや、奥の部屋のほうに寄せておいて、後でなんとかしよう……と思って部屋の片側に荷物を積んだのですが、それが大失敗! なぜならその後、エアコンの取り付け業者さんが来て、工事のためにそこに積んだ荷物を全部、一度、どかさなければならず…………で、何がどこに入っているかよく分からなくなってしまい、すっかりやる気をなくして現在に至る、というわけです。この日に限らず、モナー君のボンクラ・エピソードや、ゆかいな言動には目を見張るものがありますが、彼の前途のためにもこのくらいにしておきましょう。いや、悪いのは全部、ぼくなんですよ。他人のせいにしちゃいけません。


※ちなみに彼のボンクラ話については、素性が割れないようにするとの条件で、日記に書いてもいいという許可を貰っております。この引っ越しの日だけでも、もー枚挙にいとまがないほどあるんですわ。
朝はこいつの遅刻で出発が二時間近く遅れたし、近所のディスカウントストアに行って段ボール箱をもらって来て、と頼んだら何故か酒屋へ行き、缶ジュースを入れる小さな箱をいくつか持ってくるわ、移動中に「今日は○○さんは来ないんですか〜」と、ぼくの女友達の名を出すので、「頼めば彼女も来てくれたと思うけど、何をしてもらうの? あんな華奢なひとに」というと、「だって、○○さん、可愛いいじゃないですか〜」とぬかしたうえ、挙げ句の果てには晩飯のとき「あした会社で企画会議があるんですぅ。伊藤さん、一緒にネタを考えてください〜」といい、疲れてるぼくらをネタだしにつきあわす始末。不憫だったんでつきあいましたけど。
まーでも、君のボンクラぶりはこのようにかなり非凡なので、君の職場の関係者が読んだらそのうちバレると思うよ>モナー君。実名のイニシャルにはせずにおいたけどさ。