風邪っぴき

いちおう熱は下がったのだけれど、あいかわらずのどは痛いし鼻ががびがび。ガビ・デルガド(いうと思ったでしょ)。ひどくなりもしないかわりにハッキリもしないという嫌な展開に。まー今回は手当てが早かったし、食欲は落ちなかったので回復が早めか。たいして悪くならなくてよかった。とはいえ、平熱って朝方だと35度台なんだよな。ずいぶん前のことだが、試みに体温を一時間おきに測ってみたら、日内変動が1度以上あった。35.6度〜37.1度くらいの間で変動する。これって一般的なんだろうか。基盤となってる自分の体にちょっと不安をおぼえる。もとより自律神経が失調ぎみなので。
このところ所用があり、多摩美まで行っていたのだが、遠い。そして寒い。帰りは辛くて吉祥寺からタクシーを使ってしまった。電車の連絡さえよければ橋本まで1時間半で行くのだけれど、気分的には小旅行だ。なんで二時間かかる千葉の茂原や埼玉の東松山へ行くよりも遠いかんじがするのか。周囲が山がちだからか。津久井湖まですぐだったりするからか。
柴胡桂枝湯を飲んでふたたび寝る。


あと、昨日の抗生物質問題についてなんだけど、この話題、実は身近なひとが抗生物質は風邪に効くと強く信じていて、驚いたことに端を発している。あまつさえ、ぼくが「風邪には抗生物質は効かないよ。日本だけだよ、こんなに抗生物質を処方してんの」といったら、「じゃあなんでSARSは日本には入ってこなかったんだ?」と反論され、さらに驚いたという。どうも、抗生物質には予防的効果があり、それでSARSがくい止められたと解釈していたようなのだ。
抗生物質は細菌の細胞壁の形成を阻害する。よって細胞壁を持たないウィルスには効かない。風邪の90%はウィルスによる。よってほとんどの風邪には効果がない。当然のことながらSARSにも効かない。というとても明快な理屈なんだけれど、ひょっとして、「細菌」と「ウィルス」とがどう違うものかということって、ぼくは常識に属すると思っていたのだが、一般にはそうではないのかもしれない。
細菌とウィルスの違いについて、学校で習ったかどうかもよく思い出せない(上記の知識を自分がどこで得たかよく思い出せない)のだが、本当に、この国では理科系の知識ってのは、実に基本的なことであっても「常識」や「教養」の範疇に入っていないことが多すぎる。一般には教養があるとされている、たとえば東大を出てているひとでも、呆れかえるほど幼稚な間違いや、無知をベースにした議論をしていることがある(最近も、あるひとの日記でそういうのを見た。横から訂正するのも嫌味なので放置しておいたが、彼は誤りでしかないものを、周囲に吹聴していた)。学問や教育の体系もきちんとあり、参照できる書物やテキストはあふれかえり、なおかつ、生活と密接に関わる部分も多々あるのに、である。なるほど「ゲーム脳」なる疑似科学も蔓延するわい、と思うのだけれど、これは一体、なぜなのだろうか。

ここまで書いて、確認のためgoogle検索をかけてみた。検索語は「抗生物質 細胞壁 阻害」「ウィルス 効果 場合 抗生物質」である。抗生物質の細菌への作用としては、細胞壁の形成阻害が筆頭ではあるが、それ以外の作用もあるようである。しかし、いずれにしてもウィルスは「細胞」を持たないので、やはり一般に抗生物質がウィルスに効くことはないようだ。
ここ参照。いや……ネットって本当に便利だわ。
・様々な抗生物質とその作用
 http://micro.fhw.oka-pu.ac.jp/microbiology/chemotherapy/antibiotics.html
・ウィルスと細菌の違い
 http://www.nsk21.co.jp/syounai/doctor/uirusu-saikin.htm
レトルトのリゾットを食ってみたび寝る。


悪夢を見て目覚める。前にも「風邪をひいて悪夢を見ると治る」ってのは定番で……と書いた記憶があるが、今日のはひとをなじっている系の悪夢だった。かなり嫌な夢の部類に入ると思う。
もっぺん柴胡桂枝湯を飲んで寝る。