逸見石

こんなことになるとは、誰も思っていなかった。
というのが、今年の逸見石事情でしょう。逸見石というのは、日本が世界に誇る稀産鉱物産地、岡山県布賀から記載された新鉱物です。銅とカルシウムの硼酸塩で、濃い青紫色の美しい結晶です。いまのところ、布賀以外の産地からは発見されていません。
かつて、逸見石の結晶といえば、1ミリにも満たないものが一般的でした。2ミリに及ぶ結晶があると、それはそれは珍重されたものです。ぼくも当時の標本をひとつ持っていますが、2ミリほどの結晶がついたものを、1万数千円の評価額で交換したものです。しかし、いまとなっては値段もつかなくなっているでしょう。300円でだって売れないでしょうし、これと何かを交換してくれるコレクターもいないと思います。それというのも、布賀鉱山で、おびただしい量の逸見石が発見されたからです。その様子は、岡山の田邊さんのページ(http://www.cpustudy.net/minerals/fuka.html)に詳しく記述されています。信じられないような大きさのガマが開いたのです。
ぼくが逸見石の大ガマの話を最初にきいたのは、今年の3月のことでした。交友関係を考えると比較的遅めです。ナイショにしてたな、みんな(笑)。同好会の例会のあとの飲み会の席で、「逸見石のすごく大きな結晶を、京都の大江理工社で見た。産地は教えてもらえなかった」とひそひそ話をされたのです。その時点で、ははん、これは布賀で新しく発見があったなと思っていましたが、そこはとぼけて「さあ、ウラルかどこかのものじゃないんですか?」と答えておいたのでした。それが布賀のものであることが人々に知れたのは、そのすぐ後のことでした。
その後のゴタゴタめいた話は、まだ生々しい話題なので、あまり触れたくないし、ぼくが得ている情報にも正確さの保証はないので、詳しくは書かずにおきますが、今回のはいささか大発見にすぎたというのが、とりあえずの感想です。逸見石の鉱物標本としての真価、すばらしさは、もう少し時間が経ってから分かってくるのではないかと思います。それにしても、今年の展開はめまぐるしかった。こんなことになるとは、本当に思ってもいませんでした。
さて。
以下に記すことは、およそヨタとしてお読みください。
実はですね。ぼくは去年の時点で「国内で逸見石の大結晶が続々と出る大ガマが開く」といっていたのです。id:hesoを相手に、テキトウな冗談口でいっていたのですが、なぜか、そんな気がしたのですね。ただ、その時点では、長野県であるぞよ、大町市採石場跡からの産出であるぞよ、とお告げをしていたのでした。
実際、場所が違っていたわけだし、ぼくはこの手の「これこれこういうものが出るに違いない」ということは、訳もなくわりと頻繁にいっていますから、これをもって予言的中! ということはできません。だから、およそヨタとしてお読みください、といっています。ただ、逸見石の大ガマ、という、普通あまり想像しないようなことが、なぜか頭をよぎっていた、ということは記しておいてもイーダロ、と思ったのです。
そういえば、ぼくは一時期、やけにリアルな鉱物産地の夢を集中して見ていました。静岡県西部で、原田石とブルカン鉱が一緒に出る産地、宮城県との県境付近の福島県下で、加水柘榴石の大結晶が出る産地、県や地域は不明だけど、坑内からダトー石の2センチほどの緑色透明な結晶が出る産地……といったものです。なかでも原田石産地は、既知の産状と大きく異なり、オフィオライト・サクセションを構成する変朽玄武岩〜蛇紋岩中に、最大3センチほどの半自形結晶で産出する、というものでした。美しいエメラルドグリーンの劈開を見せるものではあるのですが、いかんせん黒地に緑なのでいまいち地味だという。一方のブルカン鉱は、母岩のなかに微細な粒で入っていると、夢に登場した松原聰博士が解説してくれていたのでした。ちなみに、このときの夢に登場していたのは、conpeitou氏と、ワサビ氏他。
この夢、目が覚めたときにすぐ、現地の風景などを克明にメモしてあります*1。まじで、ひょっとしたら、本当に、あるのでは??? いやそんなことあるわけないよ、でも……というばかな気持ちを捨てられずにいるんですね、10年以上もの間。万が一、万万が一にですよ、これが適中したら、みなさん私を拝むとよいです。お賽銭やお布施も歓迎ですよ。それと、ぼくは常々、来年度になったら自然渋滞が解消するように、これといった明確な理由もなく景気は回復する、といい続けています。そんなもん、およそ当たるわきゃないんですが、これも万が一、当たってしまったら、みなでぼくを拝みなさい、讃えなさい。寄進も大歓迎ですよ(笑)。

*1:これが可能ということは、一応、直観像資質を有してるということなのか?