『鈴木先生』七巻

四巻の解説を書かせていただいたご縁で、ご恵投いただいております。いつもありがとうございます。
七巻は六巻に引き続いての「鈴木裁判」編と、足子先生乱心編(この先生のヤバさはリアルにヤバイ!)です。
いまうっかり「リアル」と言ってしまったのですが、一方この巻で印象に残ったのは、写実的なリアリズムを捨ててまで、一つのコマの中にぎっちり登場人物を描き込むところです。
ストーリー上の効果はよく分からないのですが、何とも不穏な雰囲気を醸し出しているという意味では、成功していると思います。机と机の間隔がほとんどない状態の絵が描かれた、鈴木先生のクラスの席替え後の様子(p.90)や、朝、鈴木先生が職員室に出勤するなり「足子先生が どうも様子が おかしいって !!」と他の先生方に言われるコマ(p.140)あたりがそうですね。
などと、マンガにおける「リアリティ」とは? と考えさせるものがあります。


それから巻末の新井英樹氏による解説が最高! 破顔一笑であります。
一読してから解説を読み、もう一回読むと味わいもひとしおです。


鈴木先生(7) (アクションコミックス)

鈴木先生(7) (アクションコミックス)