厚木駅前のビジネスホテルより

新学期です。
まず授業は早稲田大学文化構想学部からはじまりました。
200人を超える大人数の学生さんを相手にするのははじめて。二階席まである教室もはじめてです。
ここまで人数が増えると勝手がちがう。質的に変わってくる感じがします。
ついで東京工芸大学マンガ学科。一年生です。
ガイダンスのときに顔は見てましたが、授業は初日。
それと先週自宅から送った資料を受け取り、研究室に運びます。
とりあえず段ボール15箱分。まだ入るようなので第二陣を送る算段をしますが、本棚や机がまだ来てないので、箱を開けるのみ。
当面は共同研究室の机を借りて仕事をすることになります。
それにしても、くたびれましたよ。
体調のことなど勘案して、今日は無理して帰宅せず厚木駅前の安いビジネスホテルをとって泊まっています。


メシなど食ったあと、九時すぎには床に入り、いま目が覚めたところです。
昨日は小田急が人身事故で一時間以上遅れ、新宿駅で足止めを食いました。
これで疲労二割増し。いや三割増しくらいかな。
ホテルはあらかじめとってあったんですが、今日は泊まってよかったなと。
今日じゅうくらいまでに、今年の授業計画の見直しなどもしとかないといけないし。
先日、東京工芸大で「授業のやり方」の研修(そういうものがあるのです)を受け、あまりに早口で「語り」がこなれすぎてしまっているのを反省し、しゃべり方を変えたら、一時間半の授業に入る情報量が減ってしまったのです。感覚としてはざっくり4分の3になった感じ。
当然のことながら、情報量が多ければいいってものじゃない。
最近の大学は、講義について学生本位の考え方になっていますから、学生のキャパシティを超えず、同時に効率よく内容を伝えるにはどうすればよいかが問われるようになってきています。


東京工芸大のような中堅どころの私大だと、余計それが顕著になっています。
極端な例だけど、かつて加藤昭先生が東大でおやりになったという「板書の内容と口でしゃべる内容を別にして、講義内容を倍にした」なんて芸当だって、先生の神がかった能力を示すものではありますが、講義として決して良いものではないわけです(じじつ、東大でも学生が音をあげたという)。
いや本当に、授業というのはきちんとやろうと思うと難しいものです。
ぼく自身、自分が大学のころに受けた講義に対する不満をもとに、どうすればいいかを考えて授業を組み立ててますが、やればやるだけもっと改善ができないかと思ってしまいます。
まぁ「やりたいこと」と「できること」のギャップが大きいってことなんですけどね。


ビジネスホテルだと、ネットもつながってるし、ノートパソコンも持ち歩いてるので、資料さえあればじゅうぶん仕事ができるのですが、机が小さいのと、いかんせん味気ないのはいたしかたありません。あと風呂ね。ユニットバスってのは本当に馴染めない。
大きなお風呂に入りたくて、駅前で立ち寄り温泉か健康ランドかないかと少し探したのですが、ぐるりを見渡した範囲ではなく、携帯で検索をして探すのもかったるいので、そのままにしました。
厚木の街はまだ不案内です。千葉よりは小さく、甲府や桐生よりは大きく、ざっと見渡して岐阜と同じくらいかなって規模の街でしょうか。


不案内といえば、晩ごはんを食べに外に出た際、一人でお酒を飲んじゃってもいいかなと思い、飲み屋など少し物色したのですが、一人でふらりと入れるような雰囲気の店が見つからず、結局ラーメン屋でお茶を濁したりしました。しかもジャズが流れているような、店員の動きがいちいちオーヴァーアクションな、「トゥマッチくふう」系のいまふうの店。あ、これはすごく旨いか工夫しすぎで旨くもなんともないかどっちかだなと思ったら後者でした。まだ胃のあたりがもたれています。失敗でした。
飲み屋といえば、「ホッピー」ののぼりをたくさん見かけました。
ぼくはことのほか酒には弱いので、ホッピーは最初普通に注文して、ちびちび飲みつつ、あとは「外」だけ注文してだんだんアルコールを薄めながら飲み続けると間が持っていいとか、そんな飲み方をしています。酒飲みの方からは怒られそうな飲み方ですが。


そんなこんなで厚木の夜は更けていきます。あと「ブルータス」誌の原稿を書くためのマンガ本も読まないといけない。


なんだか、いつになく日記らしい日記になりましたね。