2007年の殺人発生数は戦後最低

http://blog.livedoor.jp/kangaeru2001/archives/51518805.html


労作『戦前の少年犯罪』の著者・管賀江留郎こと絶望書店店主氏のブログ。
氏によると、マスコミで2月1日警察発表のこの数字を報道したところは皆無とのこと。おそらくその通りでしょう。たしかにおかしな事態だし、それをこうしてウェブで知らせてくれる営みには素直に頭が下がるんですが、マスコミの姿勢と同じくらい不思議なのは、どうして管賀氏はイチイチいらん嫌味を言うのかということですよ。

情けないことに、ブログでも記している人が見つかりません。ウェブ上の人々はジャーナリストと同じくらいの低レベルだということなんでしょうか。ウェブにアップされてる警察統計さえたどりつけない方が、マスコミ批判とかしているわけです。統計がアップされてから12日ですよ。



戦前の少年犯罪

戦前の少年犯罪



……「さえたどりつけない方が」とか言わなくてもいいじゃんねえ。
氏はかつて、小谷野敦氏とバトルを繰り広げたことでも記憶されていますが、この手の嫌味な語り口や自分の身を隠そう隠そうとする振る舞いでものすごく損をしています。これを理由に「ああ、あのひとはまともなひとじゃないですから」と言って取り合わずにいることも可能じゃないですか。
もちろん、ぼくはそんなことをしません。なるほど、と思ったし、みんながみんな統計数字にアクセスをして確認することをしないからこそ(全員が全員、一次資料にあたるべきとは思わない。あたるべきひとがあたっていないのは問題だが)、氏の活動に意義があるので、ようするにあの嫌味な語り口は照れ隠しなんだな、ツンデレなんだな、と解釈しています。
だって、ああやって嫌味を言っておかないと、管賀氏は誉めそやされてしまうでしょう。評価されてしまうでしょう。尊敬だってされてしまうでしょう。


でもね、ひとは嫌味を言われたからといって、じゃあ自分で調べましょう、とはならない。まず絶対にならない。せいぜい管賀氏というスネ者にちょこっと関心をもってオワリ。つまり資料ではなく「おまえに興味がある」となる。そこんところを管賀氏はどう考えてるのかしら。それでも正しい情報にアクセスする機会が増えるからいいということかしら。


……うっかり管賀氏のいらん嫌味ツンデレぶりに振り回されてしまった。それはそれとして、2007年の殺人件数は戦後最低だし、凶悪な少年犯罪は戦前にもあったしということです。


これはぼくが「一次資料にあたらない」と表明してるんじゃありませんよ。
あくまでも管賀氏が一生懸命嫌われよう、嫌われよう、とでもしてるかのような振る舞いをしてるのを不思議に思っていて、その「評価されること」を先回りして否定するかのような態度を「否認」とするのなら、犯罪が少なくなり事態が改善したということを決して報道しない(=見まい)とするマスコミの態度とは、「否認」という意味では同質のものではないのかなと思っただけです。
もし管賀氏が本当に「ものを調べない」人々を批判したいのなら、嫌味な語り口や、自分の実体を世間から隠そうとする振る舞いも自己批判しないと説得力ないんじゃ、というだけです。


……ああまた振り回されてしまった。それはそれとして、2007年の殺人件数は戦後最低だし、凶悪な少年犯罪は戦前にもあったしということです。
これはしっかり広めておいていいんじゃないかと。