デトロイト・メタル・シティ

ようやく買った。出遅れた。二版です。
ホントに書店からキレイに消えていたのが、約二週間で重版され店頭に並んだというタイミング。


デトロイト・メタル・シティ (1) (JETS COMICS (246))

デトロイト・メタル・シティ (1) (JETS COMICS (246))



初期古谷実を思わせる素晴らしいギャグマンガです。
すでにウェブではじゅうぶんすぎるほど話題になっている作品なので、内容の紹介についてくだくだしく書くのは止しておきます。気になるひとは、はてなキーワードウィキペディアの記述をみてくんつぇ。

音楽ネタがマニアックにならず適度に抑えられているあたりのバランスがいいんですが、作者は実はネオアコデスメタルもそんなに詳しくはないんじゃないかという気もします。もしそれなり以上にマニアだったとしたら、この抑制は見事だと思いました。
たとえばぼくだったら、いろいろ渋谷系だのスウェディッシュポップだのネオアコだののコネタを入れたくなってしまうところです。だけど、それをしてしまったら、このギャグの速度は殺されてしまい、とてもつまらないマンガになったことでしょう。ようは、「ケンカ弱そう」なジャンルの音楽をやりたい主人公が、極端に暴力的な、というよりも「ケンカ強そう」なジャンルで成功しつつあるということのギャップがギャグの骨格になっているわけだから、それ以上のコネタは必要最小限でいいわけです。


とはいえ、出てくる固有名が「ケンカ弱そう」よりなので、ついそっちのシンパシーで読んでしまうのも事実でしょう。なんというか、これデスメタルとかメタルとかバカにしまくってない? ということです。その意味では、ニュー・オーダー "Touched by the Hand of God" のPVなんかのおかしみとも近いかもしれません。
http://www.youtube.com/watch?v=ieQ5KuxHkuk


だもんだから、ついスクリッティ・ポリッティとか、好き?」などと主人公/作者に語りかけてしまいたくなったりするじゃないですか。
ここでスクリッティの名前が出てくるのは、巻末近くに載っている描き下ろし短編に登場する代官山のオシャレブランドショップの名前が「ヒプノタイズ」だったから。「ヒプノタイズ」とは、スクリッティの曲名にして、この場合「渋谷系ラシックス」という文脈ですね。
というわけで、これとか聴きたくなったり。
前に持ってたけど売っちゃったんだよな。


キューピッド&サイケ85

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