モーマス

仕事中、ずっとモーマスをかけていました。
オレほんとにモーマス好きだな。
ギリシャ神話の非難と嘲りの神の名をいただく、モーマスことニコラス・カリィ。
スコットランド生まれの、アナログシンセを抱えた吟遊詩人。心優しき変態閣下。諧謔と知性とエロスとセンチメントと……という芸風のお方です。


フューチャリスティック・ボードヴィリアンといい、『たまごっち氏の報道官』や『渋谷賛歌』なる怪曲(?)が収録されているこれ

Ping Pong

Ping Pong



とか、
ザ・フィロソフィー・オブ・モーマス

ザ・フィロソフィー・オブ・モーマス



とか。この盤↑には "Girlish Boy" という素敵なタイトルの曲が収録されています。
そしてとくにお気に入りはこれ。
ボイジャー

ボイジャー



わたくしの無人島レコードは実はこの盤なのです。ヴォイジャー
なんといっても、アルバムタイトルと同名の曲、そのサビの歌詞。
「この愛という恐怖がぼくの首を死ぬまで絞める……君がいなけりゃ生きていけない。君がいたんじゃ生きていけない。ぼくは身をよじり、振り返る……教えてくれ、いつになったら上手くやれるのか」(拙訳)の、切迫した美しさよ。
トーマの心臓』を映画化した『1999年の夏休み』の、たぶん勝手に作ったイメージソング、"Summer Holiday 1999" も入ってます。


最近はめっきりダメになったといわれていたんですが(なんか、志村けんのバカ殿トリビュートとかワケのわからん活動をしていたらしい)、近作『フォークトロニック』は、あらためて聴いてみたら意外にヨカッタです。一聴してそのまま棚に放りっぱなしにしてました。
Folktronic

Folktronic



あとはこれ、ヒポポタモーマス

アマゾンにジャケ写がないんですが、これ最初のジャケがミシュランタイヤとトラブって(ミシュランのあのキャラのパロディだったんですね)、後にヴァージョン違いが出たはずです。1990年だったかな。
収録曲の"Ventriloquists And Dolls"(腹話術師と人形)は、オレの脳内では『GUNSLINGER GIRL』のテーマ曲であります。
歌詞こんなん。
http://www.phespirit.info/momus/19910107.htm


そして、おそらく全アルバムのなかで最も悲しく切なく美しい、タイムロード。
Timelords

Timelords



新譜で出たころ、浦沢直樹のアシスタントをやっていて、仕事場から空き時間に世田谷美術館に「パラレル・ヴィジョン展」を観にいったのがよく記憶に残っています。そのときウォークマンで聴いていたんですね。ヘンリー・ダーガーとはじめて出会ったときのBGMがこれだったという。


忘れちゃいけない、Don't Stop the Night。
Don't Stop the Night

Don't Stop the Night



いまからするとヤケクソなタイトルですね。歌詞でも「さよなら1980年代」とかいってるし。ちなみに、1989年の作です。
ぼくは初期のネオアコのも好きですが、このへん以降の、シンセがビコビコいうようになってからを特に愛しています。


モーマス本人はすごくモテな人ですが、でも基本的にオタだと思う。
まじで「偉大なる町田ひらくとか歌いそうなおひとだと。
ところでモーマス好き女子はほぼ100%不思議ちゃんか因果者女子のような気がしていますが、実際のところはどうなのだろう。