『パラダイスビュー』、背筋の痛み

咳のしどおしで背筋が痛くなってきました。痛いよ。
ビデオ棚を片付けていたら、高嶺剛監督の『パラダイスビュー』が出てきたので、なんとなく流してみていました。返還前の沖縄を舞台にした土着的で幻想的な作品です。全編、沖縄の言葉でセリフが語られ、標準語字幕が入るというものです。全体に、どこまでが現実でどこからが幻想か判然としないような、それでいて土や草いきれの匂いが濃厚にする雰囲気があります。一種異様な映画ともいえるかもしれません。
ぼくが沖縄の文化や風俗についてほとんど知識を持っていないぶん、余計にそう思えるのでしょうが、それにしても、意図的に物語世界のリアリティに<破れ目>が仕込まれているようにも思えます。


ぼくは85年(ってことは20年前!)、封切で名古屋シネマテークで観ました。
途中、映写のミスでフィルムが途切れたりした思い出があるんですが、いまにしてようやくこの映画の奇妙な面白さに触れた気がします。当時は出演+音楽の細野晴臣と、戸川純<だけ>を見にいったという感じでしたね。
いまみると戸川純のかわいさに驚きます。


しかしこの映画、DVD化されていないんですね。
あと逆柱いみりのマンガに出てくる南国っぽくキッチュな意匠、夢と現実のあわいのようなけだるい雰囲気は、この映画に近いものがあります。というよりも、これや同じ監督による後の映画『ウンタマギルー』(こちらは未見)を参照項にしてるんじゃないかと。