少女監禁事件犯人祖父の呆れた発言

http://www.nikkansports.com/ns/general/p-so-tp0-050516-0002.html

祖父の発言は、15日のテレビ朝日サンデースクランブル」で放送された。

 同番組の電話取材に対し、元警察署長の祖父は「無実を信じている」「本人のせいじゃなくて、最近は女性の肌の露出が多くなっているでしょ。着物の国(日本)で裸の女がおったら、誘っていると思われても仕方ない」などと話した。逮捕後、小林容疑者の肉親が取材に答えたのは初めて。謝罪や反省の言葉ではなく、少女をはじめ小林容疑者と〝同居〟していたことが明らかになっている6人の女性に責任をなすりつけるようなコメントが、お茶の間に放送された。



これはすごいね。ようは「悪いのは本人ではなく、本人に影響を与えた”環境”である」という論旨だ。
祖父氏がこの職歴だからどうこうというつもりはないが、「語るに落ちる」とはこのことだとは思った。「青少年有害環境」にせよ、さまざまなコンテンツ規制にせよ、その背後には「犯罪行為」そのものへの否認が隠れている。
家族の情として、犯人を擁護したい気持ちもあるだろうし、「世間体」もあるのだろう。
しかし、「家族」という、ある意味身体的に自分とのつながりを意識しやすい者へのコメントである。であれば、それ以上に男性である自らが性的な欲望を持った主体であることを直視したくない気持ちが祖父氏自身にあったのではないか。


悪いのは「この俺様」ではない。悪いのはいつも「この俺様」を誘惑するものである。それは”女性”であったり、その表象だったりする。そういう責任転嫁と被害者意識がまた出た、という感じだ。


とくだんの根拠もなく「ゲームの影響」とする者も同様だろう。今日の昼のTVでは、猪瀬直樹がそうした主張をしていたときいたが、そこには、この祖父と似通った「目を逸らす」心理が隠れてはいないか。いずれにせよ、こうした犯罪をゲームやマンガなどのせいにする言説の「本質」を、はからずも見せられた気がする。