最初期『美味しんぼ』はカッコイイ!!

今月末売りの「ぱふ」に載る隔月連載「ヒットまんがのしくみ」を書き中。お題は『美味しんぼ』。やはり相手が巨大なだけあって、思ってたよりも難航してます。こことかも参考にしつつ書いてますが、とりあえずこんな感じ。

ひとついえることは、連載最初期の『美味しんぼ』は、マンガとして実にカッコいい作品だったということだ。映画的なカメラワークと、劇画的なケレン。そして、とぼけた味わいのあるキャラ絵が三位一体となり、日常の空間のなかにありながら、緊迫感のあるドラマを盛り上げていた。だからこそ、山岡士郎も、海原雄山も、キャラがびしびしと立っていたのである。



いや、ホントに。
美味しんぼ』の連載開始は1983年。山岡は作中で27歳と明記されているから、1956年の生まれである。つまり、そのまま年齢を加算すれば今年で49歳となる勘定だ。
そんなことはどうでもいいんだが、新入社員という設定の栗田さんがカワイイ。まじで萌えます。ついでにいえば、現在ではむしろ面白キャラとなった大原社主ですらカッコイイ。そして何より、山岡のカッコよさに驚かされる。


コアな『美味しんぼ』ファンからすれば、「いまさら何をいってんだか」というところだと思うが、多くの読者にとっては「ええ〜! 『美味しんぼ』ってこんなマンガだったの!?」と思うこと請け合いだ。人物関係や設定の情報と一緒に、最初期のエピソードについては知られているだろうが、これがマンガとして、現在とはまったく異なる話法で作られていることについては、あらためて見てみないとわからない。
ぼくにしても、高校のころに読んでいるはずなのだ。実際、エピソードはわりと記憶していた。

いずれにせよ、最初期『美味しんぼ』はおススメです。いま、あらためて読んでみるってのがいいんだと思う。おススメするのは単行本にして1巻から5巻くらいまで。それ以降はもう現在の『美味しんぼ』の型が出来てきています。


美味しんぼ (1) (ビッグコミックス)

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