スミソ

goito-mineral2004-12-22

亜鉛鉱、孔雀石
富山県上新川郡大山町亀谷鉱山 画面の左右約2cm



背景の半透明な結晶群が菱亜鉛鉱。亜鉛の炭酸塩だ。この鉱物に独特の質感がよくわかる。堀秀道氏の表現に従えば「お菓子の求肥を思わせる」ものだ。

亀谷鉱山は、おそらく日本では最も大量に亜鉛の炭酸塩鉱物を産出した鉱山だ。
沿革は古く、開山は戦国時代にまで遡る。ホコラ坑での採掘は江戸時代以前と大正期〜昭和初年に行われたようだ。現地に残っているずりにも、時期の違うものがあるように思える。
ここの菱亜鉛鉱、水亜鉛土はたいへん良いものなのだが、意外に知られていない。
イベントなどで出品しても、なかなか手に取られない。
「地学研究」とか「ペグマタイト」とかの雑誌にこの産地の記事が載ったら、途端に動くようになるんじゃないかと思う。
だけど、こういうモノ自体にぴぴっと反応してこそのマニアなんじゃないかな。
いま流行ってる産地―最近だとたとえば「鉛沢の紫水晶」とか―ばっかり追い掛けてどうこうとかだけじゃなくてさ*1。 

亜鉛鉱の上に乗っている球顆が孔雀石。
亜鉛孔雀石であることを期待したが、同じ産状のものを分析した結果は孔雀石だった。
でも、かわいいのでこの標本はとても気に入っている。



*1:※検索キーワード:穴なし、脈なし、石なし、意気地なし、人でなし、足利銀行、お狸様、栃木のマンガン山へ帰れ