『団地ともお』 3巻
- 作者: 小田扉
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2004/11/30
- メディア: コミック
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小田扉、すごすぎ。
ホントに、「誰だ! 『マンガはつまらなくなった』なんて言ったヤツは!?」と思いますよ。こういう力のある作品を読むと。すばらしいですよ。
こないだ『よつばと!』三巻で「すばらしい」っつってから何日経ってるかってことですよ。このすばらしき頻度。これでもまだ「つまらなくなった/終わった/死んだ」って言ってる人はいるんですわ。たいがいはここ十年ほどいまのマンガが読めなくなっている、何を読んでいいかわからなくなってるだけなんだけど。
一方でとくに紙媒体でマンガについて、いざ「語ろう」とすると、なにかとこの紋切型に陥る場合ってのが多い。じっさい、ぼくのところに来る若い編集者のひとで、「マンガに元気がなくなったと言われる昨今ですが……」という口上からはじめるひともいた。そこで「あなた、いま読んでるマンガは? 面白いと思ってるのは?」と水を向けると結構、饒舌に楽しく語ったりする。そのうえで「そんだけ語れるってことは、別に元気なくなってないってことじゃん」というと、「そういえばそうですね」となるのである。そうであるのに、やはり「マンガはつまらなくなった」という前提で特集を企画し、古い書き手に書かせ、10年前の状況をさも「現在の業界事情」みたいに記述した原稿を載せて平気なところもあったりする。
現場のマンガ編集者にも、そういう空気は蔓延してる感がある。
たしかにかつての「イケイケ」の時代は過ぎたよ。でもいまはいま、昔は昔でそれぞれにいいところもあれば困難もあって、そのなかでみんなやってきてるんじゃないか。なぜそれを認めることができない。
……だからこそ、せめて感想はちゃんと書かなきゃな。