バナジウム

http://www.nihs.go.jp/DCBI/PUBLIST/ehchsg/ehctran/tran1/vanadium.html#1
http://www.asahiinryo.co.jp/vanadium/vanadium.html

ある媒体で、「バナジウム天然水」に疑問を呈する記事の企画を出したところ、ボツられました。

その媒体のスポンサーに、「バナジウム天然水」を商品化しているアサヒ飲料がいたからです。
予測してた事態なので、別にそれでどうということはないのですが。
でも、いつになくシニカルな姿勢になっています。


富士山の地下水に特にバナジウムの量が多いのかどうかが、そもそも疑問です。
バナジウムの分析には、原子吸光法が用いられるのが普通のようですが、通常、水の分析ではこういったマイナーな元素は対象にしていないのではないかと思います。
地殻内でのバナジウムの挙動を考えると、富士山に限らず、塩基性熔岩にはそれなりに含まれるような気がしています(文献などで確かめていませんが)。
また、バナジウムの人体への効果についても、結局いまのところは「よくわからない」という程度のようです。

思うに、耳慣れない名前の元素で、かつ過去にマイナスイメージのないものというのが、流行の原因ではないでしょうか。カタカナの元素名が「科学」の装いを効果として発揮する。当然のことながら、それはきちんとした検証とは別の「印象」の問題です。
だから、次は「ルビジウム」あたりが狙い目じゃんじゃないかと思うのですよ。
最近になって発見されたルビジウムを主成分とする鉱物も、名前が「ルビクリン」といって語感がいいし。いまのうちに商標登録しとけ〜! と思います。


商売のネタを提供しちゃおうかな(タダで)。

岐阜県西濃地方などのチャート層のなかに、バナジウムを吸着している堆積物のレイヤーが存在します。現在のところ、岐阜県鵜沼と木曽川の対岸になる愛知県犬山に知られているのですが、まだ他にもあるんじゃないかという話があります。そういうところを探して、湧水を「バナジウム天然水」といって売り出すってのはどうですか。富士山なんか目じゃないほどのバナジウム・パワー! 七宗バナジウムとか(地名はテキトウです)。


あ、そういえば。犬山の含バナジン層のある場所には名古屋市上水道取水口があるじゃないか!
ま、関係ないだろうけどね。あはは。