goito-mineral2004-07-17

安四面銅鉱 群馬県桐生市菱町五丁目茂倉沢鉱山 結晶径約6mm 周囲はテフロ石と菱マンガン




http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20040716

町山智浩氏による、田中宇氏批判。
田中氏の著作は、あまり読んでいないので、彼の仕事一般についてはよく分からない。よく「陰謀論」の人だといわれているのは知っているけど。しかし、今回のマイケル・ムーア批判は確かにおかしいのだろう。


田中宇氏には、『マンガンぱらだいす』という著書がある。これは、戦前、戦後に開発された、京都・丹波マンガン鉱山の盛衰を丹念なインタビューで綴ったノンフィクションである。これと武村道雄氏の『滿俺放浪記』を合わせて読むと、京都・丹波マンガン鉱業の様子がとてもよく分かる。日本のマンガン鉱業には、大資本が入ることなく、みな個人経営で、在日朝鮮人被差別部落の人が大きく関与する。そういう日本近代の裏面史的な意味合いのある本だ。しかも、過剰に深刻になることなく、どこか、シリアスな状況のなかに生きた人たちの営みを静かに讃えるような暖かみを感じさせるものがある。

だから個人的には、田中氏は一般にいわれているような「陰謀論とか好きな国際ジャーナリストで、田口ランディを持ちあげた人の一人」ではなくて、「京都・滋賀のマンガン鉱山の来歴を丹念に聞き書きした人」というイメージが強い。たしかこの本が田中氏の最初の著書じゃなかっただろうか。在日朝鮮人の問題など絡むので、その後インタビューイ関係者から強く批判されたりと、毀誉褒貶もあったようだが、読んだかぎりでは地道によく調べた良書という感想を持っている。*1


町山氏によれば、田中宇氏はネットで適当に読んだだけで、『華氏911』も見ず、ムーアの著書も読まずにムーア批判をしているとのことだ。

ひとは、このように変わってしまうものなんだろうか?





あいかわらず練習中の画像は、「マンガン鉱山」つながりで群馬県桐生市茂倉沢(もぐらざわ)鉱山の安四面銅鉱。画面中央、三角形の結晶断面がそれ。結晶径約6mm。いや……接写って難しい…どうすれば意図したところにピントが合うの? なんか奥のほうにピンが来てしまう。ほぼ正三角形のシャープな外形がポイントだが、この画像じゃ説明しないと分からない。マンガン山の四面銅鉱の良品という、採ろうと思うと採れない通好みの品なんだけどな。



 

*1:リンク先、丹波マンガン記念館の記述には、たとえばマンガン鉱石の輸入自由化の年が1955年になっているなど、基本的な事項についていささか首を傾げる記述が散見される(輸入自由化は1967年。1955年頃は日本のマンガン鉱業の最盛期で、記念館の記述はありえない。仮に単純な間違いだとしても、それが修正されず放置されているのはなぜなのだろうか)。このことは付記しておく。