ふと思い出したんだけど、「クソゲーハンター」ABC氏っていまどこで何をしてるんだろう?


5〜6年まえにはネットでも威勢がよく、ぼくなんかは喧嘩を売られたり嫌味をいわれたり、ずいぶんしたものだ。あと掲示板で絡まれたりもしたものだけれど、関西人のくせに落語に出てくる八っつぁん熊さんみたいな面があって、どこか憎めないひとだな、と思ったりしていた。当時の彼と直接会ったことはないが、「阿部さん(ABC氏の本名:阿部広樹)は目がおびえてますから」という印象は耳にしていた。そうした評価をきいて、臆病なぶん虚勢を張るタイプなのだろうなと思い、わずなながらも共感みたいな感情は持っていたし、またひょっとしたら、ゆくゆくはゲームの世界できちんとした批評を展開するひとかもしれないな、という淡い期待も持っていた。なぜならば、ゲームの制作が途中で暗礁に乗り上げた際に呼ばれてトラブルを解決するという職能のゆえ、さまざまなしがらみから逃れ、自由にものがいえる立場にあるという触れ込みだったからだ。また、ゲームという表現に関する技術的な理解がじゅうぶんにあるひとだとも思っていた。

2ちゃんねるで暴露されたという、彼の「経歴詐称」が実際はどういうことなのかはよく分からないし、それについて判断する材料も持ってはいない。だが、少なくとも現状では、ぼくの期待が大きくはずれていたのは間違いがない。思うに、90年代後半というのは、オタクと関係のある表現については、いい加減なライターやら自称・評論家やらが出てきてしまった時代だったのだと思う。適度な虚勢と、裏腹の自己卑下、そこそこのレトリック、罵倒芸、よく分からない喧嘩、逆恨みをまぶした正論……などなど、その薄甘く、自分たちにとってのみ口当たりのよい言説でなんとかやっていけるという勘違いが生じた時期だったのだろう。まぁぼく自身、そのドサクサがあったから出てこられたわけだが。
それが現在、ある程度淘汰されてきたってことなんじゃないか。まともなひとが残っていくという、真っ当というか、当たり前といえば当たり前の展開なのだけれど。中味が空虚なぶん、飽きられるのも早かっただろうし。


なおABC氏が現在、顧みられていないということは、たとえば「はてなキーワード」に彼についての説明がないことからも伺える。




※いちおうの参考リンク
http://cheese.2ch.net/ghard/kako/974/974686327.html
http://cheese.2ch.net/ghard/kako/987/987241919.html
http://cheese.2ch.net/ghard/kako/988/988827321.html
いわゆる「アンチスレ」なので、ここを直接参照することについての問題はある。一方、阿部広樹氏の「経歴詐称」については、遠藤雅伸氏から直接きいたというひとの話をきいており、その程度には信憑性のある話だと考えている。

もうひとつ追加。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4754221117/250-1852875-9773813
共著書『引きこもりマニュアル―惰生活を愉快に営む方法』
読者レビューなどから察するに「ネタ本」である模様。