吉祥寺にあるマニアックな輸入CD店、ワルシャワが渋谷に移転するというので、閉店セールがある。行かないと。


閉店セールといえば、今は亡き凡地学研究社の倒産セールと、そこの社員だったIが退職する際の「投げ売り祭り」を思い出す。「投げ売り祭り」は「閉店」セールではなかったが、たいがいの閉店セールよりは余程、大量の商品が安価に放出されていた。というよりも、ふつうじゃ考えられない、気のクルった売り立てだったのだ。だって、10万円の正札のついた石が1000円とか、そんなのがあったんだよ。
あれはIという男の退職金を払うため、老舗の標本店であった凡地の優良な在庫を、一気に売り払ったという話だ。その背後にどんな香ばしいエピソードがあったのかについては、ぼくは詳しく知らないが、この「投げ売り祭り」がその後の倒産の遠因になったのは間違いがないだろう。そしてIは、北海道に渡り、海外産地の石を国産ビンテージ標本と偽って販売、当然のようにすぐにバレ、鉱物趣味界では商売ができなくなった。


なんだかワルシャワとはかけ離れたイヤ話になり、ワルシャワ関係者にはたいへん申し訳ない気持ちなのだけれど、同店の移転はちょっと寂しい。開店当時、レンタルCD店だったころのヘヴィ・ユーザーだった身からすると、感慨深いものがある。
現在でも、近いので気楽に立ち寄り、妙なエレクトロニカのCDをジャケ買いするのが楽しかった。渋谷に移転となると、つっかけ履きでチャリでひょいと寄るってわけにはいかなくなるもんな。

ワルシャワの移転については、西島大介さん「ネコにテルミン」の人も言及している。