ひさしぶりに鉱物ネタ(もともとここは鉱物趣味日記だった筈。いろいろ気を取り直します)

この間の週末、五反田「クリスタル・ワールド」の売り立てに行きましたよ。
いま金欠でしかも余力はことごとく資料代に向けているため、あんまり買わなかったのですが。
そこで、「買わなかった鉱物」ネタをひとつ。
愛知県中宇利鉱山の菱ニッケル鉱(Gaspeite)。日本ではこの産地からのみ知られている、まぁレアめの鉱物です。ラベルは「中宇利石、ヒーズルウッド鉱」となっていたのですが、裏っ側にニッケル特有の明るいアップルグリーンの二次鉱物がついている(3ミリくらいの集合)。ルーペで拡大するとガラス光沢で艶のある虫の卵のような球(0.1ミリ程度)が見える。透明感もある。そこで、あ、これは菱ニッケル鉱だなと判断した次第*1その場に来ていた知人のコレクター氏に譲り、なんかこっちが恐縮するくらいに感謝されたのでした。

*1:中宇利鉱山の菱ニッケル鉱は、コバルトに富み、ピンク色〜赤紫色のものが知られている。しかし、ニッケル側に寄った成分のものの存在を排除する必要もないのではないか。そういった判断で「菱ニッケル鉱」とした。こうして注を入れておくのは「中宇利鉱山の菱ニッケル鉱=ピンク色」という棒暗記で鉱物種をとらえているひとの、無用の誤解を避けるためである。もちろん、ここで話題にしている緑色の鉱物が絶対に「菱ニッケル鉱」に相当するという保証はない。正しくは機器分析をしなければ決定できない。