『心理学化する社会 なぜ、トラウマと癒しが求められるのか』 斎藤環 PHP研究所 ISBN:4569630545

読了。斎藤さんの現場感覚に根ざした考察なんじゃないだろうか。なにか功のあるものには、常に罪がある。しかし、罪ばかりを見るのではなく、功の大きさを見据えつつ、いかに罪を最小化するか、という処方を探るような姿勢を感じた。この場合の「なにか」とは、斎藤さんがかかわっている「ひきこもり」の治療であり、そこから敷衍して見ることのできる、誰かの「こころ」への治療的介入全般である。勢いのある本なので、一気に読める。