とか大仰なタイトルですが、大したことはいいませんです。関係ないけど、エヴァンゲリオンの実写版は監督にラース・フォン・トリアー、音楽はスティーヴ・ライヒ、そしてキール議長役にはジェネシス・P・オリッジを希望。これは譲りませんよ! ウィリアム・バロウズが鬼籍に入ってしまったことは、かえすがえすも残念です。存命なら冬月先生を演ってもらったのに。

goito-mineral2003-10-31



10月29日づけの日記、コメント欄でid:nobita-jintai氏がはしなくも述べているように、確かに『湾岸ミッドナイト』に描かれる走り屋の人間関係と、われわれ鉱物趣味の人間のそれには響き合うものがあります。とはいえ、「鉱物趣味」といっても幅が広く、それこそ自動車を趣味とするひと、という程の幅は当然あるわけで、そのなかの「探索派」とでもいうべき一団の、さらに理想化された部分は、という限定が必要になってきます。むろんそれは、『湾岸〜』がその主題において普遍性を持っていることの証左であり、そのことは、東浩紀-砂-阿部和重「車から老いへ―湾岸ミッドナイトと頭文字D」でも言語化されていますが、もとより多くのひとの受容が示すところです。
ではあるのですが、『湾岸〜』の示すものはやはり相当に理想化された部分、ともすれば私たちの憧憬を投影する対象でしかない。というかですね。一方でぼくは情けないコレクター(貧乏)でもあるわけですよ。だから、より実感に近いマンガは、当然のことながら本秀康レコスケくんになるわけです(『レコスケくん』については非公式ファンサイト「レコスケWEB」を参照)。つまり、われわれは、ストイックにかっこいい『湾岸〜』と、みみっちく箱庭的な『レコスケくん』の間にいるということになる。もっとも、ここにたとえば北大路魯山人や白州正子のような趣味人の生き様や審美的な姿勢を描き出したマンガがあれば、それもひとつの理想形として置くことができたでしょう。しかし、ぼくはそうしたマンガの存在を知らない(ご存じの方がいたらご教示ください)。谷口ジローあたりに描いてほしい気がします。『美味しんぼ』が近いっちゃ近いんですが、でもちょっと違いますね。『ギャラリー・フェイク』も同様。また、別の理由でつげ義春の『無能の人』もはずれてきます。もちろん、あのマンガは大好きですけどね。
まず右に『湾岸ミッドナイト』を置き、左に『レコスケくん』を置くことはできた。しかし、まだなんか足りない感じがします。そこで、なんかイヤな名前が背後から忍び寄ってくる。そうです。特殊漫画家大統領・根本敬です。単行本でいうと『豚小屋発犬小屋行き』。誰がどう、とはいいませんが、鉱物趣味の世界にはなんと因果者の多いことか。「ハンバーグって栄養あるぅ〜?」とは根本キャラのセリフですが、実にその手の味わいのあるセリフを実際にいった御仁はいる。イイ顔の親父はごまんといる。根本用語でいう「駅」にも何駅も留まった、という感じです。具体的なエピソードを紹介したいところですが……ここはひとつ、「実はわたくし、チッスをしまして」というセリフをひとつ記すに留めておきましょう。この辺が限界だわ、ウェブでは。
というわけで、どうやら私たちは、『湾岸ミッドナイト』『レコスケくん』『豚小屋発犬小屋行き』の三成分系に生きているようなのです。