新学期/工学院大学・朝日カレッジ

春、ときて新学期であります。
今週から武蔵野美術大学桑沢デザイン研究所で授業がはじまります。
アミューズメントメディア総合学院は来週からですが、その前に朝日カルチャーセンター+工学院大学JVの講義があります。今週金曜です。あらためてお知らせしておきます。
まだ席に余裕があるようです。申し込みは下記URLまで。





工学院大学・朝日カレッジ「マンガ表現論入門」

日時:2008年4月18日(金)19:00〜20:30

場所:工学院大学新宿キャンパス中層棟4階

講師:伊藤剛

受講料:会員・一般とも1,500円 学生1,000円

http://www.asahiculture-shinjuku.com/kogakuin/koza/2008/02/0120.html

※入会の必要はありません。




前にもこのブログでお知らせしたのですが、現在の日本スタイルの「マンガ」という表現の仕組みを大づかみに解説するものです。「現在」というのは、概ね1970年代から2000年代である今、とお考えください。「日本スタイル」というのは、もう少しいい言い方がないかと思いますが、主に日本で描かれてきた、そして近年諸外国の若い作家にも使われるようになってきた表現スタイルというほどの意味で言っています。


今回は、どちらかといえば「実作指導」よりの内容を持っていく予定でいます。
技術論的な「実作指導」と、文化批評的な「理論研究」とがきちんと接続されるものであることを示す実践を目論んでいます。だから、文学部などでマンガ研究をやっている/やろうという方と、自分でもマンガを描いている/描こうという方の双方に来て欲しいと思っています。まだ準備中なのでなんとも言えませんが、簡単な1ページのネームを描いてもらうかもしれません。


もちろん、いきなり「あなたの考えたネタ」を描いてもらうのではなく、すでにあるものを、こちらの指示に従って描き替えてもらうというものです。
実際に「手を動かす」ことで、ただ読者でいたときにはまったく意識せず「読む」ことのできていたマンガという表現装置が、いざ「描こう」とすると、いかに「不透明」なものとなるかということを実感していただければとは思っています。その体験を通して、マンガ表現、とくにコマわりにはどのような技術が畳み込まれているか? ということに関心を持ってもうおうという仕掛けです。


とはいえ、限られた講義時間内では無理かもしれません。難しいところです。




実はこの「1ページのネーム」は、アミューズメントメディア総合学院や桑沢・キャラクターメディア研究ゼミ、東京工芸大学マンガ学科のような実作指導系のところだけでなく、「表象文化論」の枠で講義をしている武蔵野美術大学の学生さんにもやってもらっています。理由はすでに書いたとおりなんですが、ぼくが講師をしている学科は芸術文化学科といって、美大でも実技系ではないので、「お願いだから絵を描かせる課題は出さないでください。泣きたくなります」というコメントをもらったことがあります。


なんだか申し訳なかったんですが、上手に描けるかどうかが重要なのではなく、マンガについて考えるきっかけになってくれればよいので、大丈夫です。今年はそのへんのニュアンスをきちんと伝えておかないと。