盆地

goito-mineral2007-04-18



明け方、町外れの峠道にさしかかるコンビニでは、長髪で長身、いかにもバンドやってそうな兄ちゃんが一人で店番をしていた。
飲んだ帰りと思しき客が結構来る。
タクシーの運転手も来る。
レジから商品出しから何でも一人でやるのは無茶だろと思った。
防犯上も問題だ。
かわいそうに兄ちゃんは、朦朧とした眼をしていた。


彼はコンビニ店長の息子なんじゃないかとか、勝手にお話を作ってみる。
この、人口数万人ほどの小さな町には地元資本のスーパーがあり、そこは店内放送で地元バンドの曲を流していた。
たいがいは薄甘い歌謡ロックなんだが、なかに笑かそうとしてやってるとしか思えないヘタクソなのもあった。
レジを通るとき、意識して笑いをこらえなければならなかった。
20年ほど前にこの町を訪れたときにも、そのスーパーの脇の小さな公園で地元バンド大会が開かれていた。


たぶんここは、いい町なんだと思う。