サントリー学芸賞事件+九州大学論文博士審査にまつわる疑惑

goito-mineral2006-11-13

金曜から、岩手に行っていました。
画像は、久慈琥珀博物館でのわたくし。
背景は琥珀をモザイク状にして作ったドームの内壁であります。
http://www.kuji.co.jp/museum/index.html


岩手に行っている間に、サントリー学芸賞がらみの"事件"がありました。
ここでぼくから詳しく説明するのもどうかと思いますので、下記のYAHOOブログ検索結果と、リンク集を参照ください。
斎藤一の日記に関してはどちらにも含まれていないので、別途リンクしました)


yahooブログ検索:竹内一郎 手塚治虫
リンク集:id:n-291:20061113#p3 id:komogawa:20061109:1163040971
拓殖のあと〜斎藤一の日記:id:hspstcl:20061112#1163298892


そして、できれば問題の本『手塚治虫 ストーリーマンガの起源』をお読みいただければと思います。文中リンクにアフィリエイトを貼ってますので、アマゾンで購入いただくとぼくも喜びます(笑)。


ご覧のように、すでにほうぼうのブログなどの言及で問題点はほぼ出ているので、いまのところぼくが屋上屋を架す必要はないと思っています。ただ、ひとつ付け加えるとすれば、亡くなられた九州大学教授・日下翠氏も含め、九大関係者および件の博士論文の審査に呼ばれた方の責任については、もっと追求されてもよいと思います。


参考:真面目なふざけ、適度な過剰 id:K416:20061109:1163072076

 で、この博士論文が元になったのが、学芸賞を受賞した、『手塚治虫=ストーリーマンガの起源』だと。


 俺は行ってないんだが、博士論文の公開審査に行った友人たちが口を揃えて「あれはアリなのか?」とか言ってて。
   :
どっちにしても、そんな風な評判がある論文が元になった本が、学芸賞なんて取ってしまうと。ますます読まれて、ますます「こういう論文でも学位取れるんか」ってことになってしまうんじゃないか?俺の論文も含めた、他の学生たちの論文まで色眼鏡をもって見られてしまいかねない。それは困る。 



ぼくは直接の関係者ではなく、大学人でもないので(竹内氏の著書で名前が出ている)日下氏以外の方の実名をあげるのは控えておきますが、いずれ表に出てくるのではないかと思います。
ただ、彼らが学問という営みに対する信頼に大きな傷をつけたことは、末永く記憶されていいでしょう。これは、マンガとかマンガ論の範疇を超えた話です。
今回の受賞が話題になればなるほど、九州大学の信用にかかわってしまうという、そういう事態です。もちろん九大全体に問題があるわけはなく、であるからこそ、九大の名誉や信用のためにも、今回は何が、どういけなかったのか、責任者は誰なのか、を明るみに出すべきだと思います。


大関係者はおそらく「マンガについて論じること」をなめてかかっていたのでしょう。いい加減なものでも通る世界だと思っていた。しかし、あたりまえの話ですが、それは他の分野と同様、きちんとものを考えているか、先行研究を踏まえているかといったことが問われなければならないものです。それだけのシンプルな話です。なめてかかっていたのはサントリー学芸賞審査員である三浦雅士氏も同様だと思います。でなければ、ここ三十年ほどのマンガ批評・研究の蓄積をまったく「見ない」態度を取れるわけがありません。


本件に関して、いろいろ言葉をかけてくださった方々には御礼申しあげます。ほんとうに嬉しかったです。御礼かたがた、ひとつ少しだけスキャンダラスにみえる材料をみなさんに提供しましょう。
実は拙著『テヅカ・イズ・デッド』は、NTT出版よりサントリー学芸賞の選考委員に献本されています。


ただ、直接献本に携わった営業担当者が退職してしまっているため、三浦雅士氏ほかの芸術・文化部門の選考委員の手に渡っているかどうかは確認できていません。
きちんと誰に渡ったか確認もせず、営業担当者まかせにしていたのは「賞はもらえたら嬉しいけれど、こっちからがつがつアプローチするのはイヤだよね」という気持ちからだったのでした。でも、やっぱり、こういうのって、なりふり構わず立ち回るのがいいんでしょうかね。どうもそういうの苦手なんですが、そうも言ってらんないのかな。