付記

この評文には、中条省平氏による『GUNSLINGER GIRL』読解も含まれています。テヅカイズを部分的に批判する文脈でもあり、この読解は、ぼくと氏の対立軸を明確にしてもいます(もちろん、いささか異論もあるのですが、ここではそれは措きます)。
いうまでもなく『GUNSLINGER GIRL』は、多様な読みを許す複雑な作品ですが、しかし、テヅカイズで取り上げることがなければ、中条氏(や、あるいは夏目房之介氏など)のような50代のマンガ論者がこの作品を手に取ることは、おそらくなかったのではないかと思います。批判をされる以前に、そもそも言及すらされず放置されていたわけです。
このような「視界の分断」に、一石を投じることができたという意味では、とても喜ばしい反応だと思います。