もう6月。
一年前に何を日記に書いてたかといえば、よしながふみについて漫画史研究会で討論されたときのことをまとめていた。


http://d.hatena.ne.jp/goito-mineral/20040601


一年経って、自分自身にどの程度の進展があったかなと思います。とりあえず書き下ろし原稿はいちおう書き上げたな。しかし、それ以降の整理やら注釈やらが進んでいないんだが(笑)。笑っちゃいけないな。いけません。


今週末は、4日の土曜日がミネラルマーケット本番、翌5日に早稲田大学オープンセミナー「マンガ学の挑戦」カレッジ「マンガ論の挑戦 表現・歴史・媒体」の講義です。「マンガ学の挑戦」「マンガ論の挑戦」では、夏目房之介さんプロデュースのもと、瓜生吉則津堅信之の両氏と私が一回ずつ講義をします。全五回の構成で、最終回、12日には四者のディスカッションが予定されています。


というわけで、いまレジュメを作っています。
内容は「波状言論」にも書いた、マンガ表現を成立させてきた構造について「キャラのリアリティ」を軸に話す予定ですが、「波状」では触れられなかったコマ割り概念の整理や、マンガ表現が一方でコマと映画のショットを相同なものに見せつつ、他方でそこから常に離れていくという現象を説明する「フレームの不確定性」にも触れられるかなあ、と考えています。


波状言論、『手塚治虫〈以後〉のマンガ表現史―拡張するマンガ表現論』掲載号ダウンロード販売はこちら。わずか250円です。
http://pay.nifty.com/pay/servlet/pr?i=BGCO000606





ただ、2時間しか時間がないので、話題を絞らないといけないでしょう。休憩時間なしで突っ込めるだけ突っ込もうかとも思っていますが、それだと受講しているひとが疲れてしまうだろうから、それも良くない。


そういえば、元国立科学博物館地学部長・加藤昭先生が東大で鉱物学の講義をされたとき、板書と別の内容を口頭で話せば、講義内容を二倍にできると考え、それを実行されたという逸話があります。
そんな曲芸みたいなことを……と思いますが、そこは天才とも神がかりともいわれた先生のこと、やってのけたんですね。結果は、学生が音を上げて「お願いだから止めてください」といいにきたんだそうです。板書を写す係と、口頭でしゃべったことを書き取る係の二班に分けて、後でノートを見せっこして対処していたらしいんですが、やはりもう無理です、カンベンしてくださいとなったという。


まーぼくは凡人なので、もとよりこんなことはできっこないですけどね(笑)。