昨日、新宿まで買い物にでかけたついでに、西口のイベントスペースで沖縄の物産展をやっているのを覗いてみた。
ゴーヤーだの豚の角煮だのシーサーの焼き物だのが並ぶなかに、「黒鉛珪石・ブラックシリカ」なるものを素材に使った陶器製品を売っていた。
その製品にはあまり関心なかったのだが、「黒鉛珪石」の実物が置いてあったのが目に留まった。真っ黒で緻密、手に持つと意外に軽い。わずかに空隙があり、ごく細かい透明な結晶がちかちかしている。石英の小結晶のようだ。それにしてもこの軽さは、相当に炭質物を含んでいるようだ。沖縄にはこういう岩石があるのか、やはり中古生層の堆積岩だろうか、それにしても見たことのない岩石だな、などと考えていたら販売員のおばさんに声をかけられた。
見慣れないものでもあったので、「これには炭素が含まれているんですか?」と尋ねてみた。


すると、元気よく「いえ! 遠赤外線とマイナスイオンです!」と答えられた。すばらしく、はきはきと。


ああ、聞くだけ野暮だったよ。
おばさんはマニュアルをよく伝えていて感心だったと思うべきか、それとも日本の理科教育のダメさを嘆くべきか。



というわけで、いま「黒鉛珪石」で検索をかけてみたら、北海道上ノ国町の産物だった。沖縄じゃないじゃん! そうか。おばさんも「ブラックシリカ珊瑚礁を粉にしたものと混ぜて焼いたものです」といっていたしな。はきはきと。


http://www15.ocn.ne.jp/~hongo/index.htm


さらにこのページを見てみると、マイナスイオンラドン浴、そして案の定北投石の薬効まで出てくる。


ああ、そういうことでしたか。と思うのだけれど、ホント、ここまでくると「マヌケ美」の世界だ。北海道と沖縄のよく分からない出会いっつか。