水島新司『あぶさん』登場権、ヤフオクで2000万円超


http://page3.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/c68480098?u=mangajapan2004

野球狂の詩」「ドカベン」「あぶさん」など大人気作品を世に送り出す水島新司先生。
その水島先生の大人気野球マンガあぶさん」に登場できるチャンス!
登場権を獲得した方は、名前・写真などを送り、水島先生デザインのキャラクターとして「あぶさん」に登場できます!
あぶさん」に登場するキャラクターたちと 夢の競演を果たそう!

「今回、落札価格が水島先生の想定していた価格を超えて高騰してしまったため、誠に 残念ではありますがオークションを中止いたします」という主催者(マンガジャパン)の判断は、とりあえず穏当なところだろう。もとより、オークションにはその時の勢いでびゅーっと値段が上がってしまうところがある。あとで冷静になって「そんな金額は払えません……」と言いだしたり、金策に走り回ったりといった話もよく聞かれる。
しかし、ちょっとヤフオクに慣れていれば、こうした事態はある程度想定できるわけで、事前に策を講じていてもよかったのではないかと思う。また、こちら id:karinto:20040907#p1 でも指摘されているけれど、入札者は個人とは限らない。2000万円を出してもじゅうぶんな広告効果が得られるという計算は想定できる。ただ、そうであれば、個人対個人の取引を超えた「ビジネス」であって、それならば商行為のルールに基づいて行われるべきだ。ヤフオクは、その意味ではグレイゾーンにあるものだし、やはりなんらかの方策は考えられていてよかったと思う。

どうも、「マンガ」に関しては、作家や作品の社会的な大きさの見積もりが難しくなる傾向がある。今回の件も、そのひとつなんじゃないだろうか。ある局面ではひどく小さな存在ととらえられ、また別の局面では、ひどく大きなものとしてとらえられる。これはマンガジャパンの企画だということだが、こと、若くして成功したマンガ家の方にはその傾向が強いように思える。今回の件も、一昨年の「アジアマンガサミット」の失敗と通じるところがあるのではないだろうか。


http://special.auctions.yahoo.co.jp/html/mangajapan/

マンガジャパンには、マンガ家の互助団体として、マンガに関わる文化団体としてきちんと機能してほしいと常々思っているだけに、あえて批判的な意見を記しておきます。