近所のラーメン屋二題。

駅前のラーメン屋が変わっていた。店の構えなどに何の変化もなく、入って注文しようとしたらメニューが違っていた。店のひとも別人。大幅に種類が減り、どう考えてもマズそうだったのだが、仕方なく塩ラーメンを頼む。結果は想像通り。河合単のマンガ『ラーメン発見伝』で、業務用のラーメンだれの味を「化学調味料が舌にビリビリッと来て……」と表現するくだりがあったが、まさにソレ。食った後、胸が悪くなった。
前の店は、とりたてて美味くもなかったが、不味くもなかった。店のひとの愛想がよいのにも好感を持っていただけに残念だ。もう二度と来ることはないだろう。ぼくは食い物屋に対する評価の最低ランクを「火を放て」という言い方にしているが、ここはそれです。燃やしてしまえ。

もうひとつは、街道沿いに新しくラーメン屋が開店していた。「TVチャンピオン優勝者**のプロデュース」を売りにしている。開店から二週間近く経つが、入ろうとするといつも行列に阻まれる。常々思っているけれど、ラーメンって行列してまで食うもんなのか? 行列すること自体が楽しいのだ、と説明されるけれど、ホントにそうか? ラーメンはわりと好きなほうの食い物なのだが、それでも並んでまでして食おうとは思わない。ラーメンがマニアックなアイテムになるのも分かっている。あれこれ解析したり論評したりと、のめり込むと楽しくなっていくのも分かる。分かるだけにそっちには行かない、という感じだ。自分にとってはただの日常の食い物であってほしい。
このまま行列が続くようだったら、ここで食うことは決してないだろう。ウチからいちばん近いラーメン屋であるにもかかわらず。