関係各所にはご迷惑をおかけしております

よしながふみの新刊、『それを言ったらおしまいよ』(太田出版ISBN:4872337980。奥付をみると発売後すぐに増刷されている。そして帯の宣伝文句に「ボーイズ・ラブ」ではなくクィア・ラブ」の文句が。はじめてみる文言だが、そりゃ主人公が三十路やら四十過ぎじゃ「ボーイズ」とは呼べないもんな。またちょっと考えさせられる言葉でもある。
しかしそれにしても最近のマンガの新ジャンルって「ティーンズ・ラブ」に「ガールズ・ラブ」とラブばっかり。ラブにもほどがある。ちなみにこの短編集には、これまで見てきたよしなが作品とは趣向の違う、ちょこっと意地の悪いヤな話も収録されている。初出をみると、いずれも98年の作だ。もっともぼくは彼女の作品を単行本で追いかけているので、ほかにもそういったテイストの作品があるのかもしれない。
あとちょっと気になっているのは、よしながふみ近藤ようこの対比。ぼくにはそれなりに読者がかぶっているように思えるのだが、現実には意外とそんなことはないような気もしている。近藤ようこは昔からたいへん好きな作家だが、文学好き中高年男性にウケてるのが近藤ようこで、よしながふみは、むしろそうした層に対してカウンターとなっているとか?


……「はてな」でまともに新刊評を書いたのって実ははじめてだと思う。発表のあてのないものとか、こぼれてしまったものとか、少しずつここで書いていくのもいいかもしれない。いままで覚え書き程度には記してきたけれど。実はよしながふみについての記述も「Vコミック」*1で連載してるマンガ月評のアウトテイクを基にしていたりする。

*1:コンビニ置きのグラビア・エロ雑誌。月評の連載はもう足かけ4年目