ミネレコ

goito-mineral2004-01-23

昨日は月に一度の病院の日。待合室でちょうど届いた米国の鉱物コレクター向け雑誌 Mineralogical Record (ミネラロジカル・レコード。以下、「ミネレコ」と略す)を読む。いろいろ考えるところなどあり。内容を訳したりちょっと調べたりしないといけないので、詳細は後日、時間の取れたときにするが、いまいえるのは、小室宝飾がこの雑誌の日本における代理店業務を止めたのは、かなり悪いタイミングだったのでは? ということだ。


そもそも、いまぼくが「ミネレコ」の話をするのも、昨日の朝、小室宝飾に取りにいかないとと思っていたここ一年ほどの号が、事前に何の連絡もなく、着払いの宅配便で届いたからなのだ。もうこれで、小室に行く理由はなくなってしまったな、と思ったものだが、その後、2003年7-8月号の巻頭言を読み、上記のような感想に至った。そこには「ミネレコ」が経済的な苦境に立たされている旨が書かれており、購読者を増やすため、かなりなりふり構わぬお願いが記されていた。また、同誌刊行に多大な寄付をし続けていたランドルフロスチャイルド氏(あの「ロスチャイルド家」の一員である)の訃報も掲載されていた。ここ何年か続く購読者の減少(年間250人ずつ減っているのだという)に加え、大スポンサーがいなくなったというわけだ。存続の危機だったのだろう。


もとより、世界の鉱物趣味のよりよい展開のため、心意気で続けられてきた雑誌である。小室宝飾が、どのような理由で取り扱いを止める判断をしたかは分からないが、そんな折りの日本での取り扱い中止は、発行元としてはやはり打撃だったのではないか*1。小室側と「ミネレコ」側のコミュニケーションがきちんと取れたうえでのことならばいいのだが、もしそうでなかったとしたら、苦境を知りながら離反したと受け取られた怖れすらあるな、と思った。その可能性はないわけではない。なぜなら、小室社長は英語のできないひとだから。
ぼくとしては、「ミネレコ」がなくなってしまうのはあまりにも寂しい。世界の鉱物や産地について知る、たいへん貴重な情報源だし、この雑誌を購読してきたことで、どれだけ知識も、石を見る眼も養われたか分からない。今後は個人で定期購読を申し込むつもりだ。


「ミネレコ」のすばらしさについては、これもまた後日、記すことにしよう。

*1:たしかに、定期購読、バックナンバーの注文はウェブサイトから簡単にできる。決済にもカードが使える。だが、日本のミネレコ読者には英語の読めないひとも多くいる筈だ。これを機に、購読を止めてしまうひとも少なくないのではないか?