『膨らむ地球』

こういう本を発見しました。

『膨らむ地球』星野通平・「膨らむ地球」刊行会 2001
http://www.dino.or.jp/hoshino/expandearth.html

まずはリンク先から著者のコメントを引用します。

私が考えていることは、現在の地球科学界の流行学説(プレート説)とは、大きくちがっている。私は、地球上の地質現象を、おもに地球物理学的観測結果をもとにして解釈する、この流行説に賛成できない。地質現象の解釈は、地球を構成する岩石が語ることばを、根拠にすべきであると私は思っている。

 現在の地質学の混乱のもとは、いまもって、地球の誕生とその生いたちについて、定説がないことだろう。チャールズ・ダーウィンは、「種の起源」(1859年)によって、生物進化論をうち立て、生物学の基礎をきずいた。これを見ならいながら、地球とはこのようなものだろう、という私なりの習作が本書である。

ようは「プレートテクトニクスは間違っている」本です。
しかし、この本の存在は、たとえば「アインシュタインは間違っている」式のいわゆるトンデモ本とは大きく意味の違ったものです。そのあたりの事情を『科学革命とは何か』(都城秋穂・岩波書店 1998)から引用してみましょう。

一九八〇年代になって地球膨張説を新しく支持するようになった地質学者が、かなりたくさんいる。たとえば日本では、牛来正夫氏がそうである。そのような人たちの多くは、一九七〇年代には地向斜造山説の立場からプレートテクトニクスを攻撃していた。しかし一九八〇年代になるとプレートテクトニクスが強力に確立したので一歩後退して、中央海嶺上での海洋底拡大だけは認めるが、海溝の線での沈み込みのほうは認めないという地球膨張説の立場に移り、そこからプレートテクトニクスへの攻撃を続けて、体面を保とうとしたのである。

東海大学名誉教授である、星野通平氏がどのような学者であったかはまだ分かりません。まずは自費出版と思われるこの本を入手して、読むところからはじめなければ。


■ 04/01/25追記:石田理論の掲示板よりいらした方へ。

プレートテクトニクスは間違っている」掲示板よりリンクしていただきました。

http://www.ailab7.com/cgi-bin/bbs/aska.cgi

都城氏が「体面を保とうとした」といっているのは、星野通平氏ではなく、直接には牛来正夫氏のことだと思いますよ。あと『科学革命とは何か』『地球の科学史』は一読をお薦めしておきます。
あとリンクはhttp://d.hatena.ne.jp/goito-mineral/20031109にしていただいたほうが見やすいと思います。