コミケ3日目

いま朝の6時です。行ってきます。
なんだかんだいって、ここ6年ほどコミケはほぼ皆勤。友達のブースの手伝いも含めて、すべて仕事がらみかそれに準ずるものだが、結局、面倒がりもせずそれなりに楽しく行っているところをみると、ぼくもあのイベントが好きなのだろう。池袋や秋葉原などの鉱物ショウと同様、普段は会わない人々との社交の場所でもある。反面、やはり少しヘンなところだとも思う。たとえば開始と終了のとき、皆で拍手するとか。あれはまあ伝統なのだろうが、一歩退いてみれば不思議なことにみえる。だからといって止める必要もないが。
という前提でいうけれど、こんなに気乗りしないコミケもはじめて。と書くと何かと気に病む関係者がいそうなので急いでつけくわえておくと、これはぼくの側の気分の変化に基づくものだろう。下手すると「トカトントン」という音が聞こえてきただけのことかもしれない。
東モ33-b 連絡網AMIのブースで店番をやってると思います。

「トカトントン」について注釈

太宰治『トカトントン』より。

何か物事に感激し、奮い立とうとすると、どこからとも無く、幽かに、トカトントンとあの金槌の音が聞えて来て、とたんに私はきょろりとなり、眼前の風景がまるでもう一変してしまって、映写がふっと中絶してあとにはただ純白のスクリンだけが残り、それをまじまじと眺めているような、何ともはかない、ばからしい気持になるのです。

この日記ではよく「トカトントンという音が聞こえてきたので」などの記述が出てきます。今後もしばしば登場するでしょう。もっとも、小説ほど深刻なものではなく、やや比喩的な、ネタ的な使い方をしていますが、読者の便宜をはかるため「トカトントンという音」を説明した箇所を引用してみます。太宰の小説のなかではこれがいちばん好きかもしれません。