東京工芸大学芸術学部マンガ学科准教授に就任いたしました。

本日付で東京工芸大学芸術学部マンガ学科准教授に就任いたしました。
これまで以上に責任の大きな立場となりますので、身を引き締めて当たりたいと思っています。
また、少なくとも今年度いっぱいは、ほかの学校(武蔵野美術大学桑沢デザイン研究所アミューズメントメディア総合学院)の講師は継続、新規に早稲田大学文化構想学部の非常勤講師も入るため、スケジュール的には少々タイトなものになりますが、なんとか頑張って行きたいと思います。そのため、一〜三月は体調の改善に向けできるだけ治療に専念しておりました。


東京工芸大では、三年生のゼミを担当します。
マンガ家実作指導ですので、「短編読みきり作品を描かせる」というものですが、マンガ作品を仕上げるだけでなく、制作する過程でどんな技法を参照したか、資料として何を調べたか、自分自身の考え方がどのように変わっていったかなどを記録し、それをまとめたレポートを添付するという課題を提示してみました。ようは、自作を制作する過程を通じて、「マンガ」という表現の仕組みや文法を分析的に知る機会としようという目論みです。学生それぞれが自分の作品に向うなかで分析を行うのですから、各々が「描こう」という作品が属するであろうジャンルについても自覚的になるはずだと考えています。


学生の皆さんには負担かもしれませんが、少なくとも大学において「実作指導」と「理論研究」は一体であるはずという考えから、この形式を試みてみました。いちおうマンガ家としての連載経験もあり、現在は批評・研究に携わっている身としては、これが最も自然なやり方だと思います。まだ履修登録がされた段階で、この先どうなるのかは未知数ですが、学生さんにとっても「得るものがあった」というものにしていきたいところです。


「大学でマンガを教える」ことが、ものめずらしいニュースから当たり前の風景になりつつある昨今ですが、同時にそれは、現場に関わる者に求められるものの重さが増すことも意味しています。そんななかでの就任ですが、必要以上にシリアスにならず、楽しくやっていければいいなと考えています。


今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。