システム7、DAF

今日は桑沢デザイン研究所のゼミ。
去年に引き続き、冬コミに向け同人誌を作らせているんだが、それに掲載する、森川嘉一郎さん竹熊健太郎さんとの講師鼎談を収録。
その後、担当編集者さんとの待ち合わせまで小一時間時間をつぶすのに渋谷HMVへ。
先日の斎藤環さんとのマンガ対談で、あらゐけいいち『日常』の話題を出し「あれ、渋谷HMV一階で面だしで売ってたから”渋谷系”ですよ、定義上」というヨタを飛ばしたんだが、今日みたら土山しげるの『喰いしん坊!』があった。定義上、これも「渋谷系」ということに(笑)。


この店には、桑沢やアミューズメントメディア総合学院の授業のあと、たまに寄るんだが、この間、店内BGMとしてかかっていたのがよかったので、店のひとに「これなんですか?」と尋ね、購入しようとしたら、なんとミュージシャン本人とエージェントの一行がその場にいたというハプニングがあった。
その白人男性は、表題にしているテクノユニット・システム7のメンバー、スティーヴ・ヒレッジ氏だったんだが、アルバムは "Hinotori" そう、手塚治虫火の鳥のイメージをモチーフにしたアルバムだ。
ぼくは一般に、マンガのイメージアルバムという企画自体には懐疑的なんだが、これはよかった。すでに持っていた『火の鳥』のイメージをさらに膨らませてくれる。





ヒレッジ氏と握手をし、英語で簡単に自己紹介。傍らにいたスタッフの方々(日本人)に実は『テヅカ・イズ・デッド』という本を書いた者なんですが……と言ったら、皆さんタイトルは覚えていてくださった。やはりこのタイトル、洋楽関係者にはアピールしたのかしら、と思ったが嬉しかった。名刺交換をし、ヒレッジ氏に「ぼくは手塚治虫クラフトワークのように偉大だと思っている」と言ったのだが、ニュアンスは伝わっただろうか。
手塚をミュージシャンに例えるのなら、ビートルズよりもクラフトワークのほうがぴったりくる気がしている。


Phoenix

Phoenix



さて今日は、CD棚をいろいろ見てまわって、DAFの "Für Immer" を購入。1982年リリースのアナログでは持っていたが、なかなかCDを買えずにいた。CDで欲しいなーと思いだしてあっという間に10年以上。ようやく"Ein Bisschen Krieg" だの "Verlieb Dich In mich" だのが聴ける。歌詞がドイツ語なので全くわからないのだが、強迫的なんだが同時にすっこ抜けた間抜けさが感じられて良い。こっちもまあ、ジャンルはテクノでいいんですかね。


ちなみにバンド名は、Deutsch Amerikanishe Freundschaft の略。意味は確か……えーと、ドイツ・アメリカ友好協会、だったっけか(違ったかもしれない)。多分に皮肉めいたネーミングだと思う。これら80年代ジャーマン・ニューウェーヴの、政治的な意匠でパロディックに遊ぶセンスは、日本の『愛国戦隊大日本』あたりとパラレルであるように思う。DAFも、"Der Mussolini" なる有名な曲では「ムッソリーニと踊ろう、ヒトラーと踊ろう、キリストと踊ろう。手を叩いて、お尻を振って……」などと歌っていた。



こういうライヴ映像も、昔はレアでなかなか見られなかったが……いい時代になったものです。


Fur Immer

Fur Immer



わーいDAF、と思ってCDをかけつつ、森川さんが東浩紀くんや角川書店社長・井上伸一郎氏とトークイベントに出ると言っていたデジタルアートフェスティバル東京2007のサイトをチェック。するとそこに「DAF」の文字が。
http://www.daf-tokyo.jp/program/index8.html
一瞬、どゆこと? と思ったが、単にデジタルアートフェスティバルの略でした。
すいません、オチはこれです。すいません。