竹内一郎氏、大学のレポートで「ストーリーマンガ」を課題にしている模様

ところで、竹内一郎氏は東京工芸大学メディアアート表現学科で非常勤講師(メディア文化論)をされているのですが、氏が授業の課題レポートで「ストーリーマンガ」について学生に書かせておられるという話を目にしました。


あれだけ批判を受け、その後、公にはマンガ評論・研究についての発言をなさってない(少なくとも、ぼくは見ていない)様子ですが、大学の講義ではなさるのですね。
一般の目につきにくいところでは、変わらず自説を展開されているということでしょうか。
だとしたら、あまりに学生を馬鹿にした態度だと思います。
竹内氏がマンガ評論・研究以外の場でどのような仕事をされているかは知らないので、「メディア文化論」の枠でどういった授業をされているのかについては、とやかく言うつもりはありません。しかし、すでに徹底的に批判され、スキャンダルともなったものについて、公には沈黙し、しかし学生にはレポートの対象とするという態度は、やはりおかしいといわざるを得ない。ぼくが見ていないだけで、サントリー学芸賞事件以降もマンガ評論的な言説を発表されていたとしても、そこに言説の質的な変化がなければ、同じことです。
参考:竹内一郎手塚治虫=ストーリーマンガの起源』をめぐる「事件」についてのリンク集
http://d.hatena.ne.jp/komogawa/20061109/1163040971



それにしても、学生さんたちはどのようなレポートを竹内先生に提出するのでしょうか。彼らもウェブは見ているわけですから。




なお、ぼくも後期から同じ東京工芸大学で非常勤講師として講義を持ちます。マンガ学科です。
竹内氏はメディアアート表現学科という別の学科で講師をされているのでいいんですが、今年新設されたマンガ学科が、もし竹内氏を採用していたら、ぼくは講師のお話を断っていたと思います。
「大学でマンガを教える」という場で、彼を評価し採用するということは、マンガという表現を真面目にとらえていないということと同義だと考えます。であれば、そんなところは信用できない。信用のおけない職場で仕事をすることは、残念ながらできません。


そのような事態になっていないのが幸いです。