「スターボー」がすごいという件について
まずは、この映像をご覧ください。1982年放送のTV番組です。
楽曲は『ハートブレイク太陽族』。作曲細野晴臣、作詞松本隆です。
この番組では通常のバンドアレンジになってますが、レコードでは、中期YMO的なヘヴィなテクノポップになっています。"CUE" あたりに近い感じですね。つまり、当時の最先端であったイギリスのニューウェーヴとタメをはったものであります。
でもそれはこの際、脇に置いておいていい事柄なんですよ。
いまになってはじめて動くスターボーを見たんですが、なんですかこのカッチョよさは。早すぎたんだなー二十年くらい、と思いました。
いまだったら、断然、アリでしょう。
このブログには、20代のオタク男子の読者が多い(男女比がすごくオトコに偏ってるような気がするの……)と思うんですが、そういうひとにこそ、スターボーを再評価して欲しいです。
ちなみにスターボーは、当時、「宇宙から来た三銃士」という設定で、テレビの歌番組に出たときもバラエティ的な会話には加わらず、無言を通したという(宇宙人だから日本語が通じない……)、かなり無茶な売りかたをしたものです。実際、プロモーションが派手だったわりには売れていません。
楽曲も細野・松本という当時の大ヒットメーカーを起用したものの、考えすぎちゃったんですか?という怪曲に仕上がってしまい、後の一部マニアによるテクノ歌謡再評価の、ある種象徴的な作品となったわけです。
参考:http://www.interq.or.jp/silver/you/1980/1982/starbo.htm
しかし、コスプレが当たり前になった現在の目からみると、無茶な振り付けをキッチリこなすスターボーの三人は、むしろまぶしく見えてきます。繰り返すけど、カッコいい。
『涼宮ハルヒの憂鬱』の「ハルヒダンス」を自分で踊ってみせてるオタ男子は全員、スターボーを見とけ! とかいいたい! この体の動きのキレとか……というとマジで説教オヤジじみてて言葉から加齢臭がしそうでいやだし、そういう自分も昨日はじめて動いてるのを見たんですが、ホント、驚きました。スターボー。
CDも再発になってますね。
- アーティスト: スターボー
- 出版社/メーカー: ヴィヴィッド
- 発売日: 2006/07/19
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しかも再発は二回目。このジャケになってるのは、宇宙人路線を撤回し、通常のアイドルグループへと路線を変更して以降のものです。
『ハートブレイク太陽族』もいいですが、ぼくはシングルB面だった『TOKYOベイブルース』も好きです。「空虚感とは違う空っぽな感じ」「郊外のファミレスで深夜までだべってるときの雰囲気」と評される、ファスト風土化した日本を先取りした佳曲であります。