嫌オタク流

このあいだ、「まんたんブロード」の座談会で更科修一郎くんと会ったときこの本のことをきいていたんですが、今日、書店に行ったらあったので手にとってみましたよ。
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立ち読み数分。


嫌オタク流

嫌オタク流



なんだかものすごーーーく「投げやり」な本だなという印象。
よくいえば「身もフタもない」んだが、ともあれ中原昌也は真面目にやってたまるかという態度を取ってると思った。
字もスカスカ。情報量は少ない。
更科くんは真面目に応答してる感じで、彼の発言にはこれまであまり活字にならなかったものもあり、そこは貴重な証言が残ったというふうだったが、しかし空転した感は否めず。
更科くん、貧乏くじをひきましたね、というか。


ただ一点、オタクの好む音楽、というパートが目を引きました。
オタの好む音楽、というのに「偽ケルト的な癒し系女声ボーカルもの」というのを更科君が挙げていて、そこはつい頷きかけたんだけれど、ちょっと待て、と思いました。
確かにオレもかつて「もしオタと非オタの境目があるとしたら、それはザバダックナーヴ・カッツェの間にある。そのココロは、自己批評性があるかないかだ」とかいってたことがあります。それは正直に告白します。
だがしかし、これはそういうイメージ(キレイキレイな癒し系女声ヴォーカルくらいしか聴かないヤツ=バカ)というイメージを、こちらが勝手に「オタ」に仮託していると考えたほうがいいわけで。
つまり、アニメが好き、萌えキャラが好き、といったこととは別に、音楽の好みを媒介に「こういう趣味の持ち主を『オタク』ということにしましょう」という線引きがア・プリオリに行われているということなんじゃないかと。斯様な自省が必要となるわけです。


書店ではぼくこれ買わない、と思いましたが、それだと更科君が気の毒な気がしてきましたので、たぶん購入すると思います。