ヒロキアズマ・ドット・コム・ブック2 on コミケ65

こんなに金を使わないコミケもはじめて。いや、単にずっと店番をしてて動かなかっただけなんだけど。買ったのは東浩紀くんのコピー本と、ぼくが授業を持っている各種学校の先生が出されていた本、そして、これだけは毎回押さえているショタエロ同人誌の三冊だけでした。
東くんのコピー本、その場製本による完膚無きまでに簡素な作りという、ハプニング的な要素も含めて面白いのですが、むろん内容もよかったです。なんといっても佐藤心くんとの対談。佐藤くんとは日常的に話をしていますが、こんなに面白いことを考えているヤツだったのかと再認識いたしました。しかし、見事なボケツッコミというか、東くんが佐藤くんをいじり倒しているというか。「ロッキン・オン」の渋松対談を思い出しましたよ。いや、渋谷陽一増井修とか若手とやった対談のほうが近いか。東・佐藤のどちらも個人的によく知っているぼくは、たぶん世界でいちばんこの対談を楽しく読んだと思います。そうそう、佐藤くんは最初、高校生じゃないのに学ランを着て、「ぼくは右翼だったんですよ」とか語る、謎の美少年だったのでした。

佐藤:<東浩紀と最初に出会った、98年の>駒場祭の様子を鮮明に思い出すとこれまたイヤな感じになるので話したくないな……。あ、そういえばあのとき、伊藤剛さんもいましたよね。
東:そうだね。さらに成宮観音三坂千絵子)さんもいた。同じ場所に伊藤剛と成宮と佐藤心がいたわけだ。
佐藤:三人並べないでくださいよ!
東:「三人並べないでくださいよ!」は活かすぞ!(笑)
(hirokiazuma.com book 2 hajou-genron printed extra first <>内引用者補足)

なんかぼくの名前が出ていたので補足しておくと、その場には竹熊健太郎さんも、赤田祐一さんもいた。そして佐藤くんの話ばかりが出ているのもアンフェアな感じがするので、この日の東くんのエピソードをひとつ加えておきましょう。ワインを飲んで酔った彼は赤田さんをつかまえ、「赤田さん達の世代はいいですよ! そうやってヘンな眼鏡と帽子でキャラを立てることができる。竹熊さんだってそうですよ。ぼくらはどんなに頑張ったって凡庸になるしかない。ぼくなんか、ただ性能のいい機械みたいなもんで、どうしてもキャラを立たせることができないんだ!」と嘆いたのです。その場にいた全員が「あんたがいちばん、キャラ立っている!」と叫んだのはいうまでもありません。